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【読書】「炎上フェニックス 池袋ウエストゲートパーク17」石田衣良著 コロナもブームもどんとこい【パパ活動・宅配ドライバー・誹謗中傷に立ち向かえ!】

こんにちは、ぽんです
いつも訪問ありがとうございます

今回は、私が大好きな作家のひとりである石田衣良さんの2021年の新作である「炎上フェニックス」の感想・レビュー記事です

「池袋ウエストゲートパーク」シリーズのひとつで、最新作となる本作は、昨今のコロナの世の中を反映した、ある意味でリアルタイムで生々しいものです

しかしそこは、マコトがぎゃふんと言わせちゃう辺り、読んでいてスッキリです

素敵な作品なので、見かけたら読んでみてくださいね

「炎上フェニックス 池袋ウエストゲートパーク17」概要

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マコト(真島誠)は工業高校卒業後、母親が営む池袋の青果店を手伝っている。大学生のマサ(森正弘)、デザイン学校生のシュン(水野俊司)と池袋西口公園でつるんでいると、ギャルのヒカル(渋沢光子)、リカ(中村理香)に声をかけられ、一緒に遊ぶようになる。池袋のラブホテルで女子高生絞殺未遂事件が二件発生。その後リカが絞殺されたとの知らせが入り、マコトは刑事の吉岡の取り調べを受ける。リカの葬式のあと、ヒカルはマコトにリカが「センセイ」と呼ぶあやしい男とつきあっていたと打ち明ける。マコトはシュンにセンセイの似顔絵を描かせ、池袋のGボーイズのキング・タカシ(安藤崇)に連絡。池袋に似顔絵が配られ、ボーイズたちによるストラングラー(首絞め魔)大捜索が始まる。4週間後、ついにマコトたちは似顔絵の男を捕まえる。だが、男は窒息プレイは認めたものの、リカ殺害は否認する。マコトはヒカルを呼び出し、リカを殺したのはヒカルだと言い当てる。ヒカルはリカに男をあっせんしていたが、怖気づいたリカがマコトに打ち明けようとしたので、マコトの同級生・山井に命じて殺させたのだという。ヒカルは幼いころから父親に性的虐待を受けていた。マコトはヒカルの父親を待ち伏せし、袋叩きにして自分の気持ちにけりを付ける。その後ヒカルは父親をナイフで刺し、施設に入所。マコトはヒカルの聞いていたクラシック音楽を青果店店頭でかけるようになった。
池袋ウエストゲートパーク - Wikipedia

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「炎上フェニックス 池袋ウエストゲートパーク17」感想・レビュー

まさに時代を反映したリアル

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冒頭からいきなりすぐに本の世界に引き込まれたのは、コロナというワードした

そうです、これまで数々のIWGPシリーズが登場しましたが、コロナを反映した作品初めてです

そうなると、いっきにマコトたちの生活が急に距離が近いものになり、「これは現実なんだ」と感じさせてくれます

そして、今日もどこかでマコトたちが警察にも頼れないような街の厄介事を引き受けてあくせく汗を流しているんだろうなと思います(汗を流すのはあくまでもマコトでキングではないのです)

さらには、コロナの時代背景に沿った
パパ活(年上男性にデート代などの金銭上で結ばれた関係)
宅配業者(ウーバーイーツのようなデリバリーサービス)
ネット炎上
など、私たちの生活に近い題材から生まれたストーリーで、より身近なもの、他人事ではない話だということがしみじみ伝わってきました

本も時代によって顔を変える

そんな生きている本の姿を目の当たりにできる作品です


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世の中のアンダーグラウンドに立ち向かう

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今回も王道と言ってはあれですが、マコトは何でも屋として面倒な事件に巻き込まれていきます

事件に意図せず巻き込まれ、そして解決し、平穏な世界に戻る

それが当たり前のようになりつつあるIWGPシリーズですが、それがまたいいのです

大どんでん返しは、ほとんどのIWGPファンは期待していないと思います

テンプレートになりつつあるとは思いますが、この安定性を求めているのが、IWGPシリーズなのだと思います

コロナとの関わりをひとつのテーマにしているところもあり、そこまでダークな内容ではないものの、深刻な世の中の有り様が見てとれます

コロナ職を失ったり、給与が下がったり、大切なものを奪われそうになったり、多くの人が等しくも少なからずコロナの影響を受けてきたと思います 

そのなかで、マコトの家(果物屋)も同じように向かい風を受けているものの、彼の人助けへの気持ちは全く変わらずに、無償でも人を救いたいという気概は変わりません

他の読者さんも言っていましたが、なんだか冒頭のパパ活の話は、少し雰囲気が変わったマコトの口調があったりして少し戸惑いましたが、シリーズを通じてマコトも変わり、さらには今まで作中で描かれていなかっただけなのかなと、自分を納得させました

しかし、こうした話に焦点を当てて、マコトなりにじっくりと問題と向き合ってくれるのはとてもファンとして嬉しいものです

まだまだ続いてほしいものですね

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やっぱり「炎上フェニックス」が特に秀逸

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今回も、ショートーストーリーの詰め合わせといったかんじで、いくつかの話で構成されています

その中でも特に面白かったのは、「炎上フェニックス」です

本のタイトルにもなっているこちらの話は、おそらくですが石田さんかなり力が入ったいたのかなと思います

それか自棄っぱちで書いたのかどっちかですが(笑)

なんといっても、「引用」というか「比喩」の表現が多彩すぎで、その情報量に驚きと楽しさを感じました

「呪術廻戦」だったり「鬼滅の刃」だったり「バイオハザード」だったり、もう「どこまで固有名詞出てくるの?!」と読みながら興奮していました(笑)

話の内容は、言わずもなが読みごたえ十分です

ネットの誹謗中傷を題材として、そこに関わる加害者と被害者の抗争を描いています

現実はこんなにもスムーズにはいかないとは思いますが、それはそれで物語の中の話なので、よしだと思います

私もかつて弁護士同士が立ち会う場所で謝罪を受けたことがありますが、なかなかの雰囲気ですからね

いやですね、あれは

まぁ、それは置いておいて、炎上フェニックスは、なかぬかの盛り上がりを見せますので、良かったらご一読どうぞ

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最後に

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以上、「炎上フェニックス 池袋ウエストゲートパーク17」の感想・レビューでした

コロナの中での、石田先生からのプレゼントのように思います

今だからこそ、良い意味でも悪い意味でも臨場感をもって読める作品でしょう

図書館で私は借りましたが約半年待ち位でした

これからも石田先生の話は読んでいきたいと思わせてくれる作品でした

見かけたときは、是非手に取ってくださいね

最後までお付き合いいただき、ありがとうございます

お楽しみいただけましたら、幸いでございます

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