こんにちは、ぽんです
いつも訪問ありがとうございます
今回は、石田衣良さんの「明日のマーチ」についてのレビュー記事です
あらすじ
ある日突然派遣切りを宣告された四人、あてもなく山形から東京へ600キロを徒歩であることに
すると、いつしか四人のマーチは、派遣切りをされた若者の大塔と言われるようになり、事態は政府やNPO団体までも巻き込む大事に
さらに徒歩の旅を提案した旅のマスターには誰にも言えない隠された過去があり…
四人のとった行動は?最終的に東京までたどり着くのか?派遣切りされた四人のその後は?そして、「明日のマーチ」はどうなるのか?
リアルすぎる小説が、ここにありました
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「明日のマーチ」の魅力ポイント3つ
等身体の四人は現代の若者の一部
この作品は、作者の石田さんがあとがきで言っているように、世界が不況に襲われたとき、少しでもこうした不況で打撃を受ける若者を勇気づけたいということで書かれた小説です
石田先生の独特の切り口で、現実をまざまざと書きますが、最終的には報われる四人の姿に胸が熱くなります
映画化されてもいい作品と思いましたが、まだ映像化はされていませんでした
ぜひ無名の役者さんで映像化を期待します
四人はそれぞれの個性をもっていますが、その個性は際立ってオンリーワンでもナンバーワンでもなく、言ってしまえば「どこにでもありそうな個性」
しかしその個性は現代の若者が皆等しく持っているもので、「夢があるから派遣でお金を貯める」「就活で失敗して派遣しかない」「派遣の憂さ晴らしをするためにブログを書く」こんな人は、一度はどこかで耳にしたことがあるような個性です
だからこそ、「この登場人物はどこか私に似ているな」とも思いながら、感情移入をさせてしまうのだと思います
それもあって、最後まで「自分の未来が分からない自分」の心境がありありと手に取れるように分かり、「もしかしたら一発当てられるかも」「もしかしたらこのままだめなままかもしれない」「もっと状況が悪化するかもしれない」そんな揺れる繊細な登場人物たちの心情が活字を伝わって胸に響いています
決して特別ではない、むしろどこにでもいる等身大の背伸びをしていない主人公たちだからこそ、この親近感を出せるのでしょう
不況に関係なく、派遣切りというのは日々いまもこの日本で起きています
「清く、貧しく、美しく」でも就職に失敗しアルバイトで生計を立てる年収200万円代の男性の話がメインでした
石田先生の優しいフィルターで描かれる年収200万円さえも目の前から奪われた彼らの生き様は必見です
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読めそうで読めない展開
小説を読みながら、「この小説のオチはどこにあるのか」「次の展開はこうじゃないか」とある程度予測・予想を立てながら読み進めることがあると思います
例に漏れず、私も今後展開される物語の内容を予想しながら最後まで楽しく読み進めました
正直マスターの過去については、予想通り・予想的中でした
いままでほとんどの石田先生の作品を読んできたので、多少なりとも先生の思考が頭についてきたのかもしれません
読めなかったのは、マスター以外の3人がマスターの過去を知ったあとの行動です
安直に「きっとこの旅の途中で四人はバラバラになるのだろう」と踏んでいましたが、そこは裏の裏をかかれましたね
こんな展開もあったのかーと「なるほど」と思わせてくれる、心温まる展開でした
でも、それが石田先生の心の奥にある優しさで私の腹黒さかもしれないなーと思いました(笑)
あとはラストの展開ですね
ゴールをどこにするか、の最後の分岐が私には読みきれませんでした
彼らの選んだ彼ららしいラストに、納得の気持ちになり、読んだ後の後味の良さ、スッキリ感は清々しい朝日のような登山を登り切った達成感のような、新しいことを始めるときのワクワク感のような気持ちにさせてくれます
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鮮やかな背景描写・進捗描写
石田先生の後書きにもあるように、この作品は石田先生がこれまで見てきた空の描写や景色の描写が至るところに出てきます
これは実際に石田先生が見てきた景色で、大学を5年で卒業したときの合間に見た空だったり、小金を稼ぎながら生きていたときに見た風景がモチーフになっています
元気な時に見る景色とこれからの未来に不安を覚えるときに見る景色は、同じ景色には見えないと思います
不安そうな色合いに見えたり、淀んだ風味に感じたり、そのときの心情にあった景色となることを、みなさんも感じることだと思います
石田先生もいまでは日本を代表する作家のひとりですが、下積み時代もあり、会社員時代もあり、フリーランス時代もあり紆余曲折あったからこそ描ける、見てこれた景色を堪能できます
山形から東京までのリアルな進捗が、まるで自分も一緒に東京まで「明日のマーチ」と旅をしているかのような気分になります
雨に濡れた表現があれば体が冷たくなり、汗でびっしょりと濡れたTシャツの表現があればなんだかじんわりと体温が上がるような気持ちがしてきます
活字から映し出される描写は、私たちの目の前に千曲川の川の流れや公園の土や草の匂いを感じさせてくれます
そして自分も同じようにゴールをして、本を読みながらして達成感を味わうことができる、そんな作品でした
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最後に
今回は石田先生の「明日のマーチ」の感想・レビュー記事でした
石田先生の持ち味である女性や艶っぽい表現はないものの、大人の遅れた青春やどん底に突き落とされた四人の男性の奮闘に、元気をもらえる人もいると思います
そこまで重すぎる話でもないので、微笑みながら読み切れることができる作品です
分量もそこまで多くはないので、さっくり読める作品です
参考になれば幸いです
最後までお付き合いただき、ありがとうございます
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