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【今更レビュー】藤本タツキ作「17-21」【読んでみた感想を率直に】

週刊少年ジャンプにて掲載された「チェンソーマン」のアニメ化が決定され、追ってウェブで公開された読み切りの「ルックバック」がジャンププラス(週刊少年ジャンプのアプリ)で史上最も読まれた漫画として認定され、最早今や飛ぶ鳥を落とす落とす勢いと評しても過言ではない漫画家藤本タツキ。

 
彼の作品による読み切りの単行本が10月に発売された。週刊少年ジャンプを聖書とする旦那のために、就業後に自転車を飛ばして書店に買いに行ったのを昨日のことのように覚えている。
 
さて、購入と販売後からしばらく経つが、ようやく本を読む時間を得たので、感想をここに記録したいと思う。
 
彼の今の作品を作ったかけがえのない通関点である3つの読み切りが収録された「」。一つ一つの作品に、いまの画風やストーリーを思わせる要素をふんだんに感じることができた。
 

「17-21」の概要

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f:id:omuzig:20211114012152j:plain「17-21」には、彼の読み切り作品が4つ収録されている。タイトルから推測するに、2017年から2021年までの作品なのだろうか。それとも年齢だろうか。おそらく年齢であることが有力である。

 

となると、17歳で初の読み切りとうことになる。どれほど、すごいのか。

 

books.shueisha.co.jp

『チェンソーマン』を生んだ鬼才・藤本タツキの原点! 漫画賞初投稿作『庭には二羽ニワトリがいた。』から、思春期の熱情が暴走する『佐々木くんが銃弾止めた』、迸る恋心が全てを蹴散らすSFラブコメ『恋は盲目』、ネジがぶっ飛んだ殺し屋少女の恋『シカク』まで──剥き出しの圧倒的才能が炸裂する、初期短編集!!

藤本タツキ短編集 17-21/藤本 タツキ | 集英社の本 公式

収録作品

      • 『庭には二羽ニワトリがいた。』
      • 『佐々木くんが銃弾止めた』
      • 『恋は盲目』
      • 『シカク』

 

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それぞれを個人的にレビュー

『庭には二羽ニワトリがいた。』

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この作品は、藤本氏が大学入学前に描き上げた作品だそうだ。震災があり、入学時期が後ろだ押しになったことで、時間ができたので、この作品が出来上がった。
 
そう言われると、震災への憤りや、これからの不安や未来への焦燥などを感じることができるような気がする。
 
物語は、いきなり1ページ目から私たちを引き込んでくれる。主人公がなんと「宇宙人」なのだ。それもプレデター顔負けの強面の宇宙人。制服を着ているし、日本語を話しているし、名字も日本新のようで、外見を抜けば人間のようだ。
 
その宇宙人たちが地球に侵略し、人間はほぼいなくなった。しかし、知性が低い宇宙人は鶏の被り物をした人間に気がつかず、学校の庭で鶏を飼育しているという。
 
なんだこの展開。めちゃめちゃ、面白いぞ。ありそうでなかった、と言えばよくある誉め言葉だが、まさにその通りだと思う。
 
なんだか映画の湾シーンを見ているような気分にさせてくれるのも、藤本氏のなせる技だと思う。
 
この宇宙人は、とても狂暴で理性もなくある日突然やってきて、人間に災いをもたらした。まるで、天災のようではないか。まさにやるせない思いが、昇華されない気持ちがそのまま漫画に落とし込まれたような話である。
 
結局、庭で飼われていた鶏のうち、一匹は宇宙人で、一匹は純粋な人間だった。ハチャメチャな転校生(宇宙人)のせいで、人間は山に追われてしまう。
 
しかし、運からがら逃げ切るが、そこで一緒に庭で過ごしていた相手が宇宙人だと知る。さらに言えば、冒頭出てきた主人公らしい宇宙人も警察(宇宙人)にやられてしまう。人間をかくまうのも罪なのだ。
 
この作品から作者のメッセージを読み解こうとするのは、無理矢理頭をひねれば何とでも言うことができよう。天災=宇宙人と、考えて共存する社会と吟うこともできるし、宇宙人=どうにもなら存在として、理解し会えることはあると、考えを改めることもできる。
 
しかし、それは読者の自由であって、作者のメッセージではないのかもしれない。自由に読むのが漫画であり、それぞれの解釈でいい。
 
ただそこにあるのは、藤本氏の初めての読みきりで、目を出し始めた一人の漫画家の焦燥と葛藤と希望だと思う。
 
初々しさがなんとも言えず好感が持てる。
 

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『佐々木くんが銃弾止めた』

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次の作品は、「佐々木くんが縦断止めた」だ。
 
主人公は学校の先生が好きで、妄想を日々膨らませている。神様と崇めるその先生との毎日を楽しく過ごしている。しかしある日、拳銃を持った一人の男が現れ、事態は一変する。
 
この男は実は、昔先生が告白されたものの振った相手であり、その結果この男は受験も手につかずそこからドミノ倒し的に人生が崩れたことを腹いせに八つ当たりにしに来たのである。
 
しかし、主人公は先生からの言葉を自分の中で昇華させなんと、弾丸を素手で止めるという偉業に出る。そして、夢である父がいるという日本人初の月面着陸を果たす。
 
青春時代のパワーは相当なものだ。そのパワーは、時に規制の概念を覆し、現実には起こり得ない事象すらを生じさせる。青春時代の力は計り知れないということだ。
 
半ば中二病のようにも見えてしまうが、心の中で想像して作られた像は、自分自身を幸せにするものである。闇の組織に追われているとか自分には秘められた力があるとか魔法の力を受け継ぐ家計の末裔だとか、端から見ると「何言ってるのコイツ?」と思われることでも、本人にとっては生きる活力になっており、日々の人生のスパイスとなり刺激的な世界を見せている。他人には迷惑をかけていない。と、思う。
 
今回のケースも同様で、いくら夢にも意中の先生が出てきても、神様だと思ってもそれはその本人だけの世界の中の話だ。相手の先生を仮想の世界で巻き込んでいるとは言えども、外側の世界は平和だ。
 
しかしときときて、その想像と欲望に満ちた妄想は外界の世界を変え、他人も変えることができる。
 
「人を変えるのは難しい」というのが、社会通念上の一般的な考えだ。だが、それの社会通念上の一般的な考えを越える力があれば、相手の考えを変えることは用意ということになる。
 
主人公は弾丸を素手で止めることで、 自らを宇宙人と名乗り、教室に侵入してきた犯人の未来予想(適当)をして、先生が犯人と大人の営みをすることを阻止し、クラス全員の無事を確約した。
 
青春の力は、すごい。
 
週刊少年ジャンプが「夢と希望」をテーマにしているのであれば、この読み切りはぴったりだと思う。
 
妄想は無駄ではない。ときには、大切な人を救うことができると、気づかされた。
 

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『恋は盲目』 f:id:omuzig:20211114012308j:plain

この作品はほんとうに面白かった。始めにレビューをした「庭には二羽ニワトリがいる」と同様に、藤本氏なり解釈で描かれる作品は味があって何度も読み返してしまう。
 
「恋は盲目」は、その名の通り恋をするがゆえに回りが見えなくなった主人公(生徒会長)とヒロイン(生徒会の側近)の告白までの話である。
 
「どんな落ちが待っている?!」と予想しながらそわそわして見る作品が多かった中で、「途中経過はどんなんだ?!」とワクワクしながら読むマンガはなかなかないのではないかと思う。
 
告白をしようと意気込む主人公に立ちはだかるさまざまな障害たち。始めは、先生。そして次に刃物を突きつける浮浪者。そして極めつけは地球を壊しにきた宇宙人。(この宇宙人が、「庭には二羽ニワトリがいる」の宇宙人かと一瞬思った。そう錯覚しても面白いかもしれない。「恋は盲目」の主人公によって侵略を免れたものの、地球に侵略してきたと解釈されれば更に興味深くなるかもしれない)
 
恋は盲目だ。それを彼のレンズを通して楽しませてくれる作品だ。
 
作中で、「生徒会のメンバーはヒロインだけ」と主人公が言っているが、実は他のメンバーもいるが主人公はヒロインしか目に写ってないのかも知れないと思った。マンガの世界だからかもしれないが、一般的に考えると他に役員がいてもおかしくない。彼はもうずっと前から“盲目”だったのだろう。
 
そんなワクワクエンターテイメントが楽しめる作品だ。個人的には本書の中で一番印象的で一番好きである。 

 

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『シカク』

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次は、殺し屋の女の子の話だ。私はこれを読んで、いまの「チェンソーマン」に通じるものがあると感じた。
 
主人公の殺し屋の女の子は凄腕で百発百中で相手を射止める。しかし、殺せない相手がいた。それは、相手が吸血鬼ということが理由だった。長く生きていることで退屈を感じてもいた。 そこで、女の子が何とかして吸血鬼を殺そうとするのだが、意図せず死傷してしまう。そのシーンを見ていた吸血鬼が「面白い!何年かぶりに笑った!」と感動し、その殺し屋の女の子を吸血鬼にして、二人仲良くハッピーエンドというのがあらすじだ。
 
「チェーンソーマン」でも、こうしたバトルシーンがあったので、彷彿とさせたのかもしれないが、まるで映画のワンシーンのようなカットは、読者をワクワクさせてくれる。
 
藤本氏の作品は(「チェーンソーマン」に限っては)、「グロそう」「血とかいっぱいなんでしょ?」と言って嫌煙している周りの私の友人を多く見かける。漏れずに私もそうであって、「旦那がグロテスクなハードマンガを読んでいる」と少し心配したが、実際読んでみるとそこまでグロさを感じない。
 
むしろ、清々しいくらいに“綺麗な”バトルシーンだ。確かに、血の描写があるので(アニメ化でどう表現されるかが楽しみなポイント)、苦手な人は苦手になると思うが、それでも、ちょっとコメディタッチがあったり、遊び心があったり、それでいて押さえるところはカッコよく押さえるという、いまの戦闘シーンにつながるものを私は感じた。
 
こういう画風か得意なのかと、作者本人が気づいた作品なのかもしれない。
 
あとは、「チェーンソーマン」でもそうだが、「殺し屋」とか「吸血鬼」とかそうした存在に惹かれているのかなとも、素人ながら読んでいて思ったことだ。詳しくは知らないが「チェーンソーマン」は、聖書(旧約か新訳かも忘れた)に基づいているという情報をどこかで読んだことがある。この作品がきっかけとなったかは分からないが、後々の作品に大きく影響を及ぼした作品であることは変わらないと思う。

 

最後に

今回は今後も目が離せない藤本タツキ氏の初の読み切り単行本となる「17-21」 について、感想レビューを行った。
 
一般人の私がこううだうだ書いたのものの、百聞は一見に如かずなので、ぜひ一度ご自分の目で確かめてから評価していただければと思う。
 
機会があれば、ぜひお読みいただきたい。
 
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
 
 

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