今週のお題「うるおい」
こんにちは、ぽんです
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今回は大好きな北欧系の映画『ハッチング -孵化-』をご紹介します
ハリウッド映画とは全くの別路線で人々を魅了する北欧映画
その中でもとりわけ北欧神話やファンタジー要素を取り入れたものが好きなのですが、今回ご紹介する作品もかなり癖強で、見たら忘れないシーンがあるはずです
日に日に大きくなる卵、孵化は家族にとっての幸せか?不幸せか?ラストはぜひご自身の目で判断いただきたい作品です
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『ハッチング -孵化-』のあらすじ
12歳の少女ティンヤは、優秀な体操の選手にしようとするスパルタ教育の母親から厳しい練習を課されている。この母親は、夫婦で二人の子供を育て「幸福」に暮らすステレオタイプな家族の様子を撮影して配信するインフルエンサーでもある。
ある日、母親がティンヤの弟マティアスを含めた一家の撮影をしていると、突然カラスが窓から侵入し、激しく暴れて居間の調度品を次々と壊してしまう。ティンヤはカラスを捕まえて外に放そうとするが、母親はカラスを取り上げて首を折り、庭のゴミ箱に捨てさせる。その夜、寝ていたティンヤはカラスの鳴き声で目覚め、森の中に入っていくと、先ほどのカラスが瀕死の状態で悶えているのを発見する。ティンヤはカラスを苦痛から解放するため、石で殴りつけて殺す。すると、近くにあった卵に気づき、罪悪感を感じたティンヤは自分の寝室に持ち帰り、枕の下で温める。しかし、みるみる卵は大きくなっていき、家族に見つかるのを恐れたティンヤは、ぬいぐるみの腹を裂いてその中に入れる。
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『ハッチング -孵化-』感想・レビュー
ラストシーンが意味するものとは?ハッピーエンドなのか?
作品としての意味や意図するところはあると思いますが、前情報なしでの完全な私の感想です
まず、意味深なラストシーンですが、ここはハッピーエンドともバッドエンドとも取れますが、個人的にはハッピーエンドにしたいと思います
ネタバレとなりますが、主人公ティンヤとしては、母からの呪縛から解放されて晴れて自由の身になりました
結末としてはバッドエンドですが、家族全体としてはハッピーエンドに1票です
母は勢いで娘を手にかけてしまいましたが、幸か不幸か“新たな娘”を手に入れルことができ、罰せられることはなさそうです
父も自分の趣味を守ることができそうですし、この仮面家族に大きな不満を持ってなさそうなので、一件落着(?)
息子も大好きなママが戻ってきて、ハッピーなので、問題なし
一番の被害者は愛犬もろもろ失った隣の幼なじみでしょう
仮面家族はいくら破られても、また厚くて壊れない仮面を被ればいい
そう、それは傷をメイクの厚塗りをして隠すように簡単なのです
そしてその仮面を剥がすことも、天蓋のベッドのレースのように簡単なのです
この作品のオマージュというか象徴的なジャケット写真ですが、見えているのは目だけ
つまり、見た目だけで判断しているということです
動物であれば五感で判断しますが、私たち人間は皮肉なことに、見た目だけで物事を判断し、表面的な情報で理解して勝手に満足しているのです
そう、それが、“作られた”仮面だということにも気づかずに
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殻を破るということ、誰もが卵を持っている
誰しも殻を持っています
その殻はきっと卵のようなものなのです
大きくなるかは自分次第
孵化するかしなかいかもあなた次第
主人公のティンヤは、そうした欲望だったり葛藤だったりストレスの卵を抱えていて、それが日々の積み重ねてあんなにも大きく育ったのです
その殻を破るということは、自分の抱えていたものを解き放つ意味を持っているのかもしれません
卵が孵化してからは、明らかにティンヤは人が変わったように振る舞うようになりました
自分の大切なものに気づいたのでしょう
それは、自分の“我慢”だったり、“ストレス”だったり、“欲望”だったり、そうした人間にしか持ち得ない感情です
母と子
映画内の表現で良く使われるのは、対比です
この作品も、一種対比を用いた表現を使ってメッセージを私たちに届けてくれているように感じます
この作品には3つの母と子が存在します
- 親カラスと子カラス
- 母と子(ティンヤと母)
- ティンヤと子カラス
親カラスと子カラスはそれこそ愛がある関係で、瀕死でありながらも子供を守るために必死になって巣に戻ったのが考えられます
しかし母とティンヤはどうでしょうか
母は自分のことばかり優先して考えるようなタイプで、ティンヤに体操をさせているのも、過去に自分が叶えられなかった夢の代償ともいえます
ティンヤと母の間には、ティンヤが望んだような愛情はなく、母のお飾りとして生きてきたことが作中を通して分かります
ティンヤだけではなく息子も父も母の作品に登場する登場人物でしかありません
そこで対比となるのは、ティンヤと子カラスです
ティンヤが痛みを感じると子カラスも痛みを感じているように、二人の間には通じるものがあり、少なくともティンヤは子カラスを殺そうとはしませんでしたし、むしろかばったり守ったりすることがたくさんありました
自分の吐き出しものしか食べない子カラスの身を案じて、自ら身を張って子カラスを育てるティンヤには、確実な子カラスへの愛を感じることでしょう
寒いそうにしている子カラスに自分の服を貸したり、お風呂に入れたり、ワンコ事件のときにかばったりと実の母はしない行動をティンヤは取っていきます
象徴的なのは最後のシーンで、ティンヤは子カラスをかばうのですが、ここに一番のお大きな愛を感じます
いままで抑圧されてきたティンヤだからこそ、自らの意思で母に立ち向かったのは映画の中でも大きな分岐点です(ラストですが)
そして命をかけて大切なものを守ったティンヤ
ティンヤに生まれ変わった子カラスを見て、物言わぬ表情を見せる母
母がティンヤに並々ならぬ愛情を注いでいたのであれば、母が悲しむ姿を見せると思うのですが、母はむしろほっとしたような表情を見せていたようにも感じます
母はティンヤではなく、自分のいうことを素直に聞く子供のような存在が欲しかったのでしょう
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最後に
2022年に公開されたこのフィンランドの映画ですが、独特の世界観がとても癖になる作品です
鮮やかな背景や色彩、小物の使い方がお洒落なフィンランドの参考にもなります
そういえばフィンランドは幸せな国ランキングでもトップをいく国でしたよね
しかし、もしかするとそこには裏があったり・・・と思ってしまう作品なのでした
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます
お楽しみいただけましたら幸いでございます
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