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【映画】『ふつうの子ども』”大人の当たり前”が”子どこも事件”になる

こんにちは、2児育児+ワンコ1匹の基本テレワークで日々あがいているぽんです。いつも訪問ありがとうございます(ブックマーク・スターもありがとうございます)。ブログ更新の励みになっています

■ はじめに

映画『ふつうの子ども』は、呉美保監督と脚本家・高田亮さんがタッグを組んだ2025年公開の作品です。小学生たちのありふれた日常を丁寧に描きながら、その“ふつう”の奥に潜む感情や衝動、そして大人とのすれ違いを静かに浮かび上がらせる物語です。

華やかな事件や大規模なドラマはありません。しかし、子どもたちの一歩一歩の行動や、何気ない会話が、観ている側の心にしっかりと刻まれていきます。「普通の子ども」というタイトルに込められた意味を、観客にやさしく問いかけてくる映画です。


■ あらすじ

―“普通”の毎日から始まる、小さな冒険

小学4年生の上田唯士は、昆虫や動物が好きな少年です。明るいわけでも暗いわけでもなく、目立たないわけでも目立つわけでもない、どこにでもいる“ふつう”の子。

そんな唯士が気になっているのが、同じクラスの三宅心愛。心愛は環境問題に関心が高く、大人の前でも自分の考えをしっかり伝えられる芯の強さを持つ女の子です。唯士は心愛に近づきたい一心で、彼女が熱心に取り組んでいる“環境活動”に参加しようとします。

そこに、クラスでもやんちゃで知られる橋本陽斗が加わり、三人の活動は次第にクラスや学校、そして大人たちを巻き込む騒動へと発展していきます。

子どもたちの純粋な正義感と勢いから始まった行動は、時に誤解を招き、時に予想外の広がりを見せ、やがて唯士自身の“心の中の変化”へとつながっていきます。


■ 登場人物とその魅力

● 上田唯士

生き物が好きで、ちょっと内気。感情の揺れを表に出しきれないタイプですが、心愛への気持ちや、自分の行動に対する責任を通して、少しずつ成長していく姿が丁寧に描かれます。

● 三宅心愛

自分の信じることにまっすぐで、大人に対しても臆さず意見を言える女の子。子どもでありながら、少し大人びた価値観を持っていることが、唯士の心を動かすきっかけになります。

● 橋本陽斗

勢いがあり、良くも悪くも“子どもらしさ”の象徴のような存在。唯士や心愛とぶつかりながらも、三人の関係性に変化をもたらする重要な役割を担っています。

● 大人たち

担任教師や両親など、大人たちは一見“脇役”のようでいて、子どもたちの世界に影響を与える存在として描かれています。子どもたちの行動に戸惑い、心配しながらも、彼らの成長を見守るその姿に、観る側も思わず共感します。


■ 作品のテーマ

● 「ふつう」って、いったい何だろう?

タイトルにある“ふつう”という言葉は、とても曖昧なようでいて、実は非常に重いテーマです。

唯士は自分を「ふつうの子」と思っています。しかし、心愛に惹かれる気持ちや、環境活動に参加する決断を通して、自分の中にある「ふつうではない部分」に気づき始めます。

映画は、「普通とは誰が決めるのか」「自分らしさとは何か」という問いを観客に静かに投げかけてきます。


● 子どもと大人の“価値観の溝”

この映画で印象的なのは、子どもたちが起こした出来事に対し、大人たちがさまざまな角度から反応していくくだりです。

子どもからすれば純粋な思いや行動でも、大人にとっては“問題行動”に見えてしまうことがあります。
その価値観のすれ違いが、時に衝突を生み、時に大切な気づきをもたらします。

大人側の戸惑いや不器用さも丁寧に描かれており、「子どもを理解するって難しい」と感じるリアルさがあります。


● 子どもたちの“今”を正面から描く

SNS、環境問題、学校での人間関係――现代の子どもたちの生活は意外と複雑です。映画はその状況を押し付けがましくなく、自然と物語の流れの中に織り込みます。

大きな事件があるわけではありませんが、子どもたちの日常をそのまま切り取ることで、私たち大人が忘れかけていた「世界の見え方」を思い出させてくれます。


■ 映画の魅力

● 子どもたちの自然な演技

本作の子役たちの演技は、ほどよい不器用さと自然さがあり、フィクションでありながらドキュメンタリーのような生々しさがあります。
泣く場面や怒る場面でも“演じている”という雰囲気が薄く、子どもの心の揺れを生で見ているような感覚になります。


● 静かで優しい映像

特別凝った演出はありませんが、その日常を切り取る映像がとても繊細です。学校の廊下、放課後の教室、夕方の街――どれも懐かしく、どこか少し切ない空気が流れています。


● 観終わった後に温かい余韻が残る

大きな感動の波が押し寄せてくるタイプの映画ではありません。
しかし、小さな感情が静かに積み重なり、心の奥に柔らかい余韻が残ります。

子どもたちの世界の“本気さ”が、大人になった自分にも確かにあったことを思い出させてくれるのです。


■ まとめ

『ふつうの子ども』は、タイトルに込められたシンプルな言葉とは対照的に、とても深いテーマ性を持った作品です。
子どもたちの小さな行動や決断が、周囲の世界にどんな波を広げていくのか。その過程をやさしい視線で追いかけることで、「普通って何だろう?」「自分はどうだっただろう?」と自然に考え始めてしまう映画です。

大人にも子どもにも刺さる、静かで力強い物語。観たあと、自分の中の“ふつう”という概念が、少し揺れ動く作品だと思います。

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