UX検定基礎の参考書籍とされている4つについて、ポイントをまとめました。
検定を受講される方や書籍の要点を知りたい方の参考になれば幸いです。
受験される方は、合格目指して取り組んでいきましょう!
- アフターデジタル2UXと自由(著者:藤井 保文 / 出版社:日経BP社)
- UXグロースモデル アフターデジタルを生き抜く実践方法論(著者:藤井 保文 ほか / 出版社:日経BP社
- 人間中心設計入門(HCDライブラリー第0巻)(著者:山崎 和彦 ほか / 出版社:近代科学社)
- ユーザビリティエンジニアリング: ユーザエクスペリエンスのための調査、設計、評価手法(著者:樽本 徹也 / 出版社:オーム社)
アフターデジタル2UXと自由(著者:藤井 保文 / 出版社:日経BP社)
1. デジタル時代のUXの本質
UX(ユーザーエクスペリエンス)は単なる「使いやすさ」や「デザイン」ではなく、
- 人間中心の設計が鍵。
- テクノロジーが人々の行動や意思決定をサポートし、自由度を拡張する役割を持つ。
- 例: スマートフォンアプリの通知機能がユーザーの次の行動を支援する。
- ユーザーの体験全体を最適化する視点が重要であり、プロダクトやサービスが継続的にユーザーの価値を向上させる必要がある。
2. データドリブンなUX設計
デジタル化の進展により、企業はデータを活用したUX改善を進めるべき。
- ユーザーの行動データを分析することで、個別化された体験を提供。
- 例: eコマースサイトが過去の購入履歴を基にレコメンデーションを行う。
- 定量データ(利用状況)と定性データ(アンケートや観察)を統合してユーザーのインサイトを深掘りする。
UX検定での関連ポイント
- ユーザビリティテストやA/Bテストを活用し、UXを定量的に評価する重要性が強調されている。
3. ユーザーと社会の関係性
UXは個々のユーザーだけでなく、社会全体の課題解決にも貢献できる。
- テクノロジーが社会的な制約を取り除き、人々の自由度を高める例として、シェアリングエコノミーやリモートワークが挙げられる。
- サービス設計において、アクセシビリティ(誰でも使いやすい設計)が倫理的にもビジネス的にも重要。
UX検定での関連ポイント
- アクセシビリティとユニバーサルデザインの原則を意識する。
4. 「UXの輪」の拡張
UXは製品やサービスにとどまらず、エコシステム全体の体験を含む。
- 顧客接点の前後(購買前の期待、利用後のサポート)も含めて考える。
- 企業のブランドや社会的な役割がUXの一部となる。
UX検定での関連ポイント
- CX(カスタマーエクスペリエンス)やEX(従業員体験)とのつながりを理解する。
5. UXデザインと自由の調和
UXの目指すべきゴールは、ユーザーが自律的に行動し、自由な意思決定ができる環境を作ること。
- ダークパターン(ユーザーを意図的に誘導する操作)は短期的な成果を得るかもしれないが、長期的には信頼を損なう。
- ユーザーに選択肢を提示し、彼らが納得して行動を選べるように設計することが大切。
UXグロースモデル アフターデジタルを生き抜く実践方法論(著者:藤井 保文 ほか / 出版社:日経BP社
1. UXグロースモデルの概要
この書籍は、UXを中心にビジネスを成長させる方法論を体系的に解説しています。
- UXの成長ステージ:
- 初期フェーズ: 問題点の洗い出しやユーザビリティ改善を重視。
- 成長フェーズ: データ分析やユーザーフィードバックを基に継続的に改善。
- 成熟フェーズ: ビジネス戦略とUXが統合し、競争優位性を築く段階。
UX検定での関連ポイント
- PDCAサイクルを回しながら、ユーザビリティ向上から組織的なUX推進へと発展させるプロセス。
2. データ駆動型のUX戦略
デジタル社会では、データを活用してUXを改善するのが不可欠。
- 定量的データ: アクセス解析、コンバージョン率、直帰率などの指標を活用。
- 定性的データ: ユーザーインタビューや観察を通じた洞察を得る。
- KPI設計: UX改善の効果を測定するため、適切なKPIを設定し進捗を確認する。
UX検定での関連ポイント
- ユーザビリティテストやA/Bテストを用いた効果測定の重要性。
3. エコシステムとしてのUX
UXは単体のプロダクト設計だけでなく、顧客接点全体で一貫性を持たせる必要がある。
- サービスの利用前、利用中、利用後のすべての体験を設計する。
- 例: ユーザーがオンラインショップを利用する際の購入前の情報提供、購入後のフォローアップメールなど。
- CX(カスタマーエクスペリエンス)との統合: UXとCXの境界を意識せず、顧客満足を総合的に向上させる。
UX検定での関連ポイント
- ユーザーのタッチポイントを分析し、体験の一貫性を維持する。
4. 組織的なUX推進
UXデザインを成功させるには、組織全体での理解と実行が欠かせない。
- UXリーダーシップ: UXを推進する人材を育成し、組織内での連携を強化する。
- クロスファンクショナルチーム: エンジニア、デザイナー、マーケターが一体となり、ユーザー中心の開発を進める。
- UX文化の醸成: 組織全体がユーザーの視点を意識し、改善を継続する文化を構築する。
UX検定での関連ポイント
- UXを組織戦略に組み込む方法を学び、チーム全体で推進する重要性を理解。
5. 実践的なツールとフレームワーク
この本では、具体的なUX改善のためのツールやフレームワークも紹介されています。
- ユーザージャーニーマップ: 顧客の行動と感情を可視化し、改善点を特定。
- ペルソナ設計: 典型的なユーザー像を設定して、設計の基準とする。
- UXスコアリング: ユーザー体験を数値化し、課題を明確化する。
UX検定での関連ポイント
- ユーザージャーニーマップやペルソナを作成し、ユーザー視点を深める。
人間中心設計入門(HCDライブラリー第0巻)(著者:山崎 和彦 ほか / 出版社:近代科学社)
1. 人間中心設計 (HCD) の基本理念
HCDは、ユーザーの視点を中心に据え、プロダクトやサービスを設計する方法論です。
- ユーザーニーズの把握: HCDの基本は、ユーザーが何を求め、どんな課題を抱えているかを理解することにあります。
- 反復プロセス: ユーザーの意見を取り入れながら、設計・検証を繰り返し改善します。
- 目標: ユーザーにとって使いやすく満足感の高い製品やサービスを提供することを目指します。
UX検定での関連ポイント
- ユーザーリサーチやユーザビリティテストの重要性を理解する。
2. HCDのプロセス
HCDの設計プロセスは4つのステップから構成されています。
-
計画
- プロジェクトの目的を明確にし、目標ユーザーを特定します。
- UX検定で関連: プロジェクトスコープやKPIの設定が重要。
-
調査
- ユーザーの行動やニーズを観察し、データを収集します。
- 方法: インタビュー、アンケート、観察など。
- UX検定で関連: ユーザーリサーチの基本手法を学ぶ。
-
設計
- 調査結果を基にプロトタイプを作成し、デザイン案を検討します。
- UX検定で関連: ワイヤーフレームやプロトタイピングの基礎。
-
評価
- プロトタイプをユーザーにテストしてもらい、改善点を特定します。
- UX検定で関連: ユーザビリティテストやA/Bテストの理解。
3. HCDとUXデザインの関係
HCDは、UXデザインの基盤となる考え方として位置づけられています。
- 共通点: 両者とも、ユーザーのニーズや体験を重視します。
- 違い: HCDは主に設計プロセスの体系化にフォーカスし、UXデザインは感情や満足感も含めた全体的な体験に注目します。
UX検定での関連ポイント
- HCDとUXデザインの違いを理解し、適切な手法を選ぶ力を養う。
4. 実践的なツールとフレームワーク
本書では、HCDを実践するための具体的なツールが紹介されています。
- ユーザーペルソナ: 典型的なユーザー像を設計し、開発の基準とする。
- ユーザージャーニーマップ: ユーザーの体験を時系列で整理し、課題を明確にする。
- タスク分析: ユーザーが目的を達成するためのステップを分解して理解する。
UX検定での関連ポイント
- ユーザージャーニーやタスク分析を実際に作成できるスキルを習得。
5. 組織へのHCD導入
HCDを成功させるには、組織全体での理解と協力が必要です。
- HCDプロジェクトの推進: チーム間の連携を強化し、ユーザー視点を組織文化に浸透させる。
- 教育と啓発: 社員がHCDの基本を理解し、実践できるようにする。
UX検定での関連ポイント
- 組織全体でユーザー中心の文化を醸成する方法を学ぶ。
ユーザビリティエンジニアリング: ユーザエクスペリエンスのための調査、設計、評価手法(著者:樽本 徹也 / 出版社:オーム社)
1. ユーザビリティとUXの基本概念
本書では、ユーザビリティとUXの違いを明確にし、両者の関係性を解説しています。
- ユーザビリティ: 使いやすさや効率性、満足感など、製品やサービスの操作性に関する特性。
- UX: ユーザーが製品やサービスを利用する際に得られる全体的な体験や感情。
UX検定での関連ポイント
- ユーザビリティとUXの定義を明確に区別すること。
- ユーザー視点を考慮した設計を実現する方法を学ぶ。
2. ユーザビリティ調査の手法
ユーザビリティを評価するための基本的な調査手法が紹介されています。
- ユーザーインタビュー: ユーザーの意見や体験を直接聞き取る方法。
- 観察法: ユーザーが製品やサービスを利用する様子を観察し、課題を発見する。
- アンケート: 多くのユーザーからフィードバックを得るための定量的手法。
- ユーザビリティテスト: 実際のユーザーにタスクを実行してもらい、操作性や課題を確認する。
UX検定での関連ポイント
- 調査手法の特徴を理解し、適切に選択・実施できることが求められる。
3. 設計プロセスと手法
ユーザビリティを高めるための設計プロセスについて詳しく解説されています。
- ユーザーペルソナの作成: ユーザーの代表的な属性を明確にし、設計基準とする。
- ユーザージャーニーマップ: ユーザーが製品やサービスと関わる一連の流れを可視化する。
- ワイヤーフレーム: サイトやアプリの骨組みを設計し、基本的なレイアウトや機能を確認する。
UX検定での関連ポイント
- これらの手法を理解し、実践できる基礎知識を持つことが重要。
4. 評価方法と効果測定
設計の効果を評価し、改善点を特定するための方法論が紹介されています。
- タスクベースの評価: ユーザーに特定のタスクを実行させ、その成功率や効率性を測定する。
- ヒューリスティック評価: 専門家が製品やサービスを評価し、一般的な使いやすさのガイドラインに基づいて課題を指摘する。
- A/Bテスト: 異なるデザインを比較し、ユーザーの行動に与える影響を分析する。
UX検定での関連ポイント
- ユーザビリティテストや効果測定手法を理解し、適切に応用できる。
5. 実践的な活用方法
本書では、調査・設計・評価を総合的に活用してUXを向上させる方法が強調されています。
- ユーザーを中心に据えた開発: デザインの初期段階からユーザーを巻き込み、継続的にフィードバックを得る。
- プロトタイピング: 早い段階でプロトタイプを作成し、実際の使用感をテストする。
- 反復的な改善: デザインとテストを繰り返し行い、常に最適化を目指す。
UX検定での関連ポイント
- 調査から設計、評価までの一連の流れを理解し、ケースに応じた方法を選択できること。