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今年自身No.1映画?!映画『サブスタンス』がかなり熱い理由

こんにちは、2児育児+ワンコ1匹の基本テレワークで日々あがいているぽんです。いつも訪問ありがとうございます(ブックマーク・スターもありがとうございます)。ブログ更新の励みになっています

今年自身No.1映画?!映画『サブスタンス』がかなり熱い理由

サブスタンス : 作品情報・キャスト・あらすじ・動画 - 映画.com

正直に言ってしまうと、この映画を見終えたあと、すぐに言葉が出てきませんでした。
「面白かった」「怖かった」「しんどかった」
どれも間違っていないのに、どれも足りない。
それくらい、体の奥にじわじわと沈み込んでくる作品です。

『サブスタンス』は、いわゆる“見やすい映画”ではありません。
むしろ、不快で、グロテスクで、見ていて息苦しい場面も多い。
それなのに、途中で目を逸らしたくなりながらも、最後まで見届けてしまう。
その感覚は、『レクイエム・フォー・ドリームス』を初めて見たときのものに、とても近いと感じました。

破滅に向かっていると分かっている。
ハッピーエンドにならないことも、薄々気づいている。
それでも、「もしかしたら」「ここで踏みとどまれるかもしれない」と、勝手に希望を託してしまう。
そして、その期待が静かに、しかし確実に裏切られていく。

本作は、そんな“分かっていて見てしまう地獄”を、極めて冷静に、そして容赦なく描いた映画だと思います。


「若さ」と「価値」をめぐる残酷な物語

『サブスタンス』の物語を一言で表すなら、「若さに価値を与えすぎた世界の末路」です。
主人公は、かつて成功を手にした女性。
しかし年齢を重ね、社会からの評価が少しずつ失われていく中で、自分の居場所が削られていく感覚に苛まれています。

彼女は、決して怠けているわけでも、努力をやめたわけでもありません。
それでも「若くない」という理由だけで、世界は露骨に冷たくなる。
仕事、視線、扱い、言葉の端々。
それらすべてが、彼女に「あなたの価値はもう下がっている」と告げてきます。

ここが、この映画の怖さのひとつだと思います。
描かれているのは極端な設定でありながら、その根っこにある感情は、驚くほど現実的です。
年齢、見た目、消費される価値。
特に女性に向けられてきたこの構造を、映画は遠慮なく、露骨な形で可視化していきます。

そして彼女の前に現れるのが、“サブスタンス”という選択肢です。


サブスタンスという名の「救い」に見える罠

サブスタンスは、一見すると奇跡のような存在です。
若さを取り戻せる。
美しくなれる。
もう一度、必要とされる側に戻れる。

誰だって、心が弱っているときにそんなものを差し出されたら、疑いながらも手を伸ばしてしまうと思います。
この映画が巧みなのは、主人公の選択を「愚か」と切り捨てないところです。

彼女は追い詰められています。
社会に、業界に、そして自分自身に。
だからこそ、サブスタンスは“欲望”というより、“最後の希望”として機能してしまう。

この構図が、『レクイエム・フォー・ドリームス』と重なる部分だと感じました。
あちらもまた、夢や成功、愛を求めた結果、取り返しのつかない場所へと進んでいく物語でした。
どちらの作品も、「堕落」ではなく、「切実さ」から始まっているのです。

だからこそ、見ていて苦しい。
否定できないから、止められない。
観客である私たちも、主人公と同じように、引き返すタイミングを見失っていきます。


グロテスクさが語る、身体のメッセージ

『サブスタンス』は、かなり強烈なビジュアル表現を含んでいます。
肉体の変化、崩壊、歪み。
決して美しいとは言えない描写が、これでもかと続きます。

ですが、そこには単なるショック狙いではない、はっきりとした意図を感じました。
この映画において、身体は「飾るもの」ではなく、「真実を語るもの」です。

若さを取り戻したはずの体は、同時に不安定さと代償を抱えています。
美しくなるほど、どこかおかしくなっていく。
その違和感は、主人公の心の状態と完全にリンクしています。

無理をしている。
本来の自分ではない。
何かを犠牲にして成り立っている。

それを、言葉ではなく、身体そのもので見せてくるのがこの映画の残酷さであり、誠実さでもあります。


「分かっているのに期待してしまう」観客の心理

この映画を見ている間、ずっと頭のどこかで思っていました。
「これは、うまくいかない話だ」と。

展開も、トーンも、演出も、すべてがそう告げています。
それでも、どこかで期待してしまう。
もしかしたら、この先で救いがあるかもしれない、と。

これは、主人公の心理と完全に重なっています。
彼女もまた、分かっているのです。
この選択が危険であることも、代償が大きいことも。

それでも、「今よりマシになる可能性」に賭けてしまう。
その姿は、愚かというより、とても人間的です。

観客である私たちは、その共犯者になります。
止めることもできず、見捨てることもできず、ただ一緒に沈んでいく。
この“共犯関係”こそが、『サブスタンス』の最大の没入感を生んでいると思います。


ハッピーエンドではないからこそ残るもの

この映画は、はっきりとしたハッピーエンドを用意していません。
救済も、カタルシスも、分かりやすい希望もありません。

ですが、見終わったあとに残るものは、決して空虚ではないと感じました。
むしろ、「では、自分はどう生きるのか」という問いが、ずっと胸に残ります。

若さとは何か。
価値とは何か。
他人の視線に、自分の人生を預けていないか。

『サブスタンス』は答えを与えてくれる映画ではありません。
ただ、逃げ場のない問いを突きつけてきます。
そして、その問いから目を逸らせなくさせる力があります。


まとめ:しんどいけれど、忘れられない一本

『サブスタンス』は、楽しい映画ではありません。
気軽におすすめできる作品でもありません。
むしろ、心身ともに削られるような感覚すらあります。

それでも、今年見た映画の中で「一番強く残った一本は?」と聞かれたら、真っ先にこの作品を挙げてしまいます。
それほどまでに、鋭く、痛く、そして誠実な映画でした。

『レクイエム・フォー・ドリームス』が好きな人。
じわじわと心を蝕むタイプの映画に惹かれる人。
ハッピーエンドではないと分かっていても、最後まで見届けてしまう人。

そんな方には、間違いなく刺さる作品だと思います。
そして見終わったあと、しばらくの間、自分の「価値」について考えずにはいられなくなるはずです。

今年自身No.1映画、と言いたくなるのも、決して大げさではありません。
それほどまでに、『サブスタンス』は熱く、重く、そして忘れがたい映画でした。

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