【映画感想】

こんにちは、2児育児+ワンコ1匹の基本テレワークで日々あがいているぽんです。いつも訪問ありがとうございます(ブックマーク・スターもありがとうございます)。ブログ更新の励みになっています。
今回は、「ストレイ 悲しみの化身」の感想記事です。私好みの映画でした。スプラッター系でも驚かす系でもなく、暗い展開が続いて、ちょっとオカルト(黒魔術っぽい)感じがある作品でした。
ロシアの映画のようですが、ロシア映画ってあまり見る事がないので、いい体験でした。
あらすじ・概要

息子を失った夫婦が養子を迎え入れたことから巻き起こる恐怖を描いたロシア製スリラー。最愛の息子が行方不明になったイゴール夫妻。数年後、悲しみから立ち直れない彼らは、友人に養子縁組を勧められ、孤児院でいじめられていた男の子を引き取る。その子どもは行方不明の息子の名前「ヴァーニャ」と呼ばれ、母親に溺愛されて育つ。しかし時が経つにつれ、奇妙なほどに本物の息子そっくりになっていく。ある日、母親の妊娠が判明するが、それ以来ヴァーニャの母親を見る目が一変し……。ヒューマントラストシネマ渋谷&シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち2020」上映作品。
2019年製作/90分/ロシア
原題または英題:Тvar
配給:インターフィルム
劇場公開日:2020年2月7日
スポンサードリンク
原題の意味と邦題の違い

個人的に映画で好きなのが、映画のタイトルを邦題と原題で作品のテーマを考える事です。
原題では、「тва́рь」という事で、意味を調べると以下です。
出典 プログレッシブ ロシア語辞典(露和編)プログレッシブ ロシア語辞典(露和編)について тварь(ロシア語)の日本語訳、読み方は - コトバンク 露和辞典
確かにこの辺りは、結構作品の的を得ていると思います。
本作は異質な子供を中心に展開される物語で、まさに”生きているが死んでいる”(作中では、”死んでいる”とシスターに言われていましたね)ものを示しています。単純に栄養を摂取して、生きているだけ、そこに存在しているだけ、の存在というのがドンピシャに当てはまります。
ちなみに邦題(英題)ではどうでしょうか。
- 〔子どもの〕迷子
- 迷い[野良]犬[猫]
- 《strays》《電気》空電
- 道に迷った、それた、はぐれた
- 散在する、たまに起こる《電気》漂遊の
邦題(英題)では、「Stray」ということで、日本でも”Stray ⚪︎⚪︎”などで使われます。迷い猫などで使われるワードです。
英語だと、「〔子どもの〕迷子」という意味が合っています。人間としての道を逸れた存在(外道、とはまた違う)や、親を失ってしまった迷い子。そんなニュアンスです。
邦題(英題)でも映画のテーマを尊重した設定になっていて個人的には嬉しいです。ただ、原題のロシア語にあるような、”生きているもの”のようなだたそこに存在している、存在しているけれどもそれ以上でもない、虚無感があるワードではないようにも感じますが、センスがある邦題(英題)と感じました。
スポンサードリンク
終わらない恐怖が一番の醍醐味

作品の流れやオチからいうと、結構好きです。
他の方も感想記事で書いていましたが、エスター感もあり、どこか懐かしい(既視感のある)展開にワクワクです。エスターはまさに策略盛り盛りの自称幼女が欲のままに暴れ回る作品でした。今回もバーニャ(養子)がどう動いていくかが気になって目が離せませんでした。
もしかすると狂っていくのは家族で、バーニャ(養子)は本当に純粋で悪い存在ではないのか?と思いきや、しっかりバーニャ(養子)は秘密を持っていました。
このバーニャ(養子)の過去ですが、全く年を取らないただの器というのが物語後半で展開されましたね。あまり深くは語られませんでしたが、どこかの暗い森(村)で黒魔術(のような何かよざらん邪悪な儀式?)によって、子供が何かしらの影響を受けた、とのこと。
この儀式で火が使われていたことによって、バーニャ(養子)は蝋燭の火を見るだけで暴れてしまうようになりました。(ケーキをぶちまけたのも過去が原因)
この儀式で母のような人がドロドロに溶けた子供を抱っこして悶絶しているのですが、これがバーニャ(養子)の元々の姿でしょう。何か人柱になったのではないかと推測です。そしてバーニャ(養子)の母親は土砂降りの中、何かを願ったのでしょう。
それからその子供は”器”になったのだとか。しかも”愛に飢えた器”とのこと。つまり愛を与えてくれる人には興味があって、自分に愛を与えてくれない人は全員敵になるのです。
最終的にバーニャ(養子)は元の孤児院に連れて行かれるのですが、そこのベッドで悍ましい姿を見せてくれました。子供から老婆のような姿、そして傷だらけの姿やバーニャ(養子)は、バーニャ(養子)であり、バーニャ(養子)ではなかった。複数の存在が入り乱れるものだったのが分かりました。
そしてシスターが答えます。”誰かが失った愛”だと。
シスター曰く、バーニャ(養子)が存在する以上、何か意義があると思い、匿っていたようです。まさに聖職者です。
さらに、部屋を後にするとき、”イゴール、私を置いて行かないで”とバーニャ(養子)の姿が半分変身した状態で、タイトルが落ちます。(この演出かっこいいです)この時、半分変身していたのは後にイゴール(父)が娶った新しい奥さんだったのかなと。
愛が栄養であり、自制を保つ唯一の存在で、愛がないと獣になる悲しい存在ということです。無償の愛がなければ成立しないバーニャ(養子)はもう行く末はなかなかないですね。
そして物語ラストに衝撃的なオチが待っています。奥さん、もとい、お子さんを失ったイゴールですが、実は奥さんらしきパートナーを家に迎え入れているのが判明しました。(友人だからと言って、勝手に人の家を覗いてはいけません!(笑))
そこにいたのは・・・(まあ、流れからすると生まれ変わったバーニャ(養子)でしょう)
つまり、バーニャ(養子)は”誰かが失った愛”を媒介にして取り込んでいく存在だった、ということなのでしょう。人は必ず何か失いますし、死からは逃れられません。つまり人間がいる限り、バーニャ(養子)は存在し続ける。そしてバーニャ(養子)はその”誰かが失った愛”に飢えているが故に、それを吸収し、存在し続ける。それがバーニャ(養子)が生きる理由であり、存在する理由、と解釈しました。
うーん。いい話です。好きです、この展開。
スポンサードリンク
最後に

思わず見た作品でしたが、結構好きです。こうしたゆっくりしたホラーって好きです。また見ていない方は、じっくり視聴してみてくださいね。最後までお読みいただき、ありがとうございます。
スポンサードリンク