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【アニメ】終末好きの心にじんわり刺さる、静かな“おわり”の物語

こんにちは、2児育児+ワンコ1匹の基本テレワークで日々あがいているぽんです。いつも訪問ありがとうございます(ブックマーク・スターもありがとうございます)。ブログ更新の励みになっています


『アポカリプス・ホテル』感想・レビュー

――静かに終わっていく世界で、私は何を選ぶのか

■ 終末好きの心にじんわり刺さる、静かな“おわり”の物語

終末系の物語が好きな方にこそ、ぜひ読んでほしい――
そんな静かで不思議な一冊に出会いました。

『アポカリプス・ホテル』(著:宮内悠介)は、よくある“世界が滅びる!”タイプのSFやディストピアとはちょっと違います。隕石もウイルスも暴動も出てきません。けれど、確実に世界は壊れつつある。そしてそれを人々が「どこか他人事のように、でも確かに感じ取っている」…そんな、じわじわと終末がにじむような世界が描かれています。

読んでいると、自分の足元の現実が、少しだけぐらぐら揺れるような感覚になる。
終末モノが好きな方には、たまらない読後感だと思います。


■ ホテルという“境界”の場所で、人は静かに生きようとする

物語の舞台は「ホテル」。このホテルがまた、不思議な雰囲気をまとっています。

  • ここは避難所なのか、それとも終着駅なのか。
  • 生きている人たちはもちろん、何か“それ以外”の存在もやってくるような気配。
  • だけど誰も騒がず、誰も問いたださず、ただ受け入れている。

この空気が本当に絶妙で、「不気味なのに落ち着く」「怖いのにどこか優しい」といった矛盾した感情が、読み手の中で同居するようになります。

登場人物たちも、個性はあるけどどこか淡々としていて、世界の終わりに翻弄されながらも、自分のペースで静かに「生きる」選択をしているように感じられます。


■ 「なぜ?」を追うのではなく、「どう生きるか」を問う物語

この物語に、謎解きや壮大な伏線回収を期待して読むと、少し肩透かしを食らうかもしれません。

というのも、本作は**「世界がなぜ壊れたのか」ではなく、「壊れゆく中でどう過ごすのか」に焦点がある**からです。

  • どうして街から人が減っていくのか?
  • どうして誰も騒がないのか?
  • なぜホテルにはいろんな人がやってくるのか?

こうした問いに対する“説明”はありません。けれど、読み進めていくと次第に「説明なんて必要ない」と思えるようになります。むしろ、「自分だったらこの世界で何を大事にするだろう?」と問いかけられているような気持ちになります。


■ 読後感:静かに泣ける。だけど希望は残る。

正直、劇的な展開はありません。感情を揺さぶる派手な演出もありません。
でも、ラストにかけて、私は何度もページをめくる手が止まりました。

登場人物たちが選ぶ「ささやかな行動」「何気ない言葉」。
それらがじんわりと心に沁みて、「ああ、世界が壊れても、人ってちゃんと人なんだな」と思えて、少し泣けてしまいました。

終末モノって、希望がなくてつらい…という印象を持っている方にも、この作品は優しく寄り添ってくれると思います。
悲しいけれど、怖くはない。静かな絶望の中に、確かな温もりがある。


■ こんな人におすすめ

終末ものの中でも「静かな余韻がある作品」「人の内面を丁寧に描いたもの」が好きな方に特におすすめです。

✔ たとえば…

  • 村田沙耶香さんや津村記久子さんのような、日常と非日常の間を描く作品が好きな方
  • 伊坂幸太郎の『終末のフール』のような、崩壊の中にある日常が好きな方
  • 静かな空気感のある映画(例:『アノマリーサ』『オネアミスの翼』)が好きな方
  • 説明より余韻、感情より空気感を大事にする物語を読みたい方

■ 最後に:タイトルに込められた優しさ

「アポカリプス=黙示録」という重い言葉と、「ホテル」という誰もが知る日常の場。
そのギャップがこの作品のすべてを物語っているように感じます。

この世界の終わりは、ドカンと爆発するような派手さはありません。
でも、気づかないうちに身の回りから少しずつ静かに色が失われていく。
そんな感覚が、美しく、そして切なく描かれています。

終末を描いているのに、最後まで読み終えると、**「もう少し、明日を大切にしてみようかな」**と思わせてくれる――そんな不思議な一冊でした。


 

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