こんにちは、2児育児+ワンコ1匹の基本テレワークで日々あがいているぽんです。いつも訪問ありがとうございます(ブックマーク・スターもありがとうございます)。ブログ更新の励みになっています
(※ネタバレ含みます
―「バレたくない恋」と「知ってほしい気持ち」の狭間で揺れる、オフィスラブの傑作―
恋愛アニメと聞くと、学生同士の甘酸っぱい青春を思い浮かべる方も多いかもしれません。そんな中で、2024年に放送されたアニメ『この会社に好きな人がいます』は、社会人同士の恋愛をリアルかつ丁寧に描いた作品として、多くの共感と感動を呼びました。筆者自身、恋愛アニメにはやや距離を置いていたタイプでしたが、本作は一話目から心をぐっと掴まれ、最終話まで一気に視聴してしまいました。
以下では、本作の魅力を「物語」「キャラクター」「演出」「テーマ性」の4つの視点からレビューしていきたいと思います。
1. 社会人ならではのリアリティに満ちた物語
本作の舞台は、どこにでもあるような中規模の会社。日々の業務に追われながらも、社員同士の人間関係や微妙な距離感が描かれる中、物語の中心となるのは、営業部に勤める立石誠と、同じく営業部の先輩・三ツ谷美咲の“社内恋愛”です。
二人は付き合っていることを社内には秘密にしています。そう、「この会社に好きな人がいます」というタイトルは、まさに立石の胸の内をそのまま言葉にしたもの。彼の視点から、社内での何気ない日常や、時折見せる美咲とのささやかなやりとりが描かれ、視聴者はその“秘密の共有”にドキドキさせられます。
特筆すべきは、恋愛が物語の主軸でありながら、「働く」という要素がしっかりと描かれている点です。営業先での失敗、上司からのプレッシャー、後輩の指導、チームワークの難しさ――そういった“仕事あるある”が織り交ぜられ、リアルな共感ポイントとして光ります。社会人経験のある視聴者ならば、「あー、こういうのある…!」と頷かずにはいられないはずです。
2. まるで本当に隣にいるようなキャラクターたち
立石は、真面目でちょっと不器用な青年。感情を表に出すのが苦手で、恋人である美咲に対しても「気持ちを言葉にすること」がなかなかできません。一方の美咲は、クールに見えて実は情熱的で、自分の気持ちには正直。ただ、職場という空間ではその感情を抑えながら、バランスをとっている様子が見て取れます。
二人の恋愛は派手ではありません。むしろ地味で、慎ましくて、でもそのぶんリアルです。たとえば、仕事の合間にふと目が合ったとき、帰り道にさりげなく歩調を合わせたとき、帰宅後に交わす短いLINE…。どの場面も、観ているこちらまで照れてしまうような、等身大の“好き”が詰まっています。
また、脇を固めるキャラクターたちも魅力的です。天然系の後輩・高田くんや、お節介だけど愛のある上司・坂口部長など、誰もが実際のオフィスにいそうな個性を持っており、物語を彩るスパイスになっています。彼らの何気ない一言や行動が、恋愛の機微に影響を与えている点も見逃せません。
3. 演出の妙が光る「間」と「余白」
本作が評価される大きな要因の一つが、演出の巧みさにあります。大げさな告白シーンや、ドラマチックな展開はほとんどありません。その代わりに用意されているのが、「間」と「余白」です。
例えば、無言で資料をやり取りするシーンの中に、ほんの一瞬だけ指が触れ合う描写。それを見た他の社員が何も言わずに目を逸らす描写。あるいは、帰り道、雨が降り出して立ち止まったときに、相手の傘にそっと入るという静かな演出。こういった“静かで細やかな”感情表現が、視聴者の想像力を刺激し、心に深く残ります。
声優陣の演技も過剰ではなく、あくまで日常会話の延長のような自然体。BGMも控えめで、セリフと環境音だけのシーンが多いのが特徴的です。その“静寂”が逆に感情の機微を際立たせ、視聴後の余韻を深くしています。
4. 恋愛だけじゃない、「人としての成長」も描かれる
この作品が素晴らしいのは、単なる恋愛ものに終わらず、立石と美咲がそれぞれ“人として”成長していく物語になっている点です。
立石は、最初こそ感情表現が苦手で、どこか人任せな面もありました。しかし、仕事の壁や美咲とのすれ違いを経験する中で、「自分の気持ちを伝える勇気」や「相手の言葉を受け止める余裕」を身につけていきます。一方、美咲も、自分が思っている以上に“守られたい”という気持ちを抱えていたことに気づきます。
恋愛とは、誰かと付き合うことではなく、「自分自身と向き合うこと」でもある。そんなメッセージが、本作には静かに、けれど力強く込められているのです。
総評:「好き」を大声で言えないからこそ、尊い
アニメ『この会社に好きな人がいます』は、感情を爆発させるような恋ではなく、「誰にも言えないけど、確かにそこにある好き」を描いた稀有な作品です。学生時代とは違い、周囲の目や社会的立場、将来への不安などが重くのしかかる“大人の恋愛”を、ここまで自然体かつ丁寧に描いたアニメは、他にあまり例がありません。
恋愛がテーマでありながら、「働くこと」「気遣うこと」「変わること」の大切さを伝えてくれる本作は、恋人がいる人にも、いない人にも、過去に恋をしたことがある全ての人に響く内容になっています。
筆者も、ラストシーンで立石がふと漏らす「この会社に、好きな人がいます」という言葉に、胸をぎゅっと掴まれました。派手さはありません。でも、この静かで穏やかで、確かに心に届くラブストーリーは、何度も見返したくなるような温かさに満ちています。
“好き”を抱えて、今日も会社に行くあなたに、ぜひ観てほしい作品です。
▼▼ドメイン取るならやっぱり▼▼
▼▼ナウでヤングなドメインがいっぱい▼▼
▼▼はてなブログでもお馴染み▼▼
▼▼ブロガーの強い味方▼▼
▼▼ランキング参加しています▼▼