今週のお題「感動するほどおいしかったもの」
こんにちは、ぽんです。いつも訪問ありがとうございます(ブックマーク・スターもありがとうございます)。ブログ更新の励みになっています
この間、久しぶりに実家へ帰省しました。
玄関の戸を開けた瞬間、ふわっと鼻をくすぐる香りに立ち止まります。出汁と味噌の、なんとも言えない安心する匂いです。
「あれ?もしかして、豚汁?」
そう声をかけると、台所から母の明るい声が返ってきました。
「おかえり、寒かったでしょ。今日はあったまるやつ作ってるよ」
そう。あの味。母の手作りの豚汁です。
子どものころ、冬になると食卓によく登場していた定番の一品。社会人になってからは実家で食事をする機会も減り、しばらく忘れていたあの味。香りだけで、胸の奥がじんわりと温かくなりました。
食卓に出てきた豚汁は、やはりというべきか、具だくさん。
丼にたっぷりよそわれた豚汁は、汁物というより「おかず」といった方がしっくりきます。
母の豚汁は、「汁:具材=4:6」。スプーンを入れても具がごろごろと出てくる、まさに主役級の存在感です。
大根、人参、ごぼう、里芋、こんにゃく、豆腐、長ねぎ、そして豚バラ肉。
どれもやや大きめにカットされていて、しっかり煮込まれているけれど、野菜はくたくたになりすぎず、ほっくりとした食感を残しています。
口に入れると、野菜それぞれの甘みと旨味が口いっぱいに広がり、体の芯から温まるのがわかります。
「具が多い方が、体にいいでしょ」
そう笑う母の言葉が耳に残ります。
たしかに、野菜をたっぷり摂れて、栄養満点。それだけでなく、食べごたえもあるので、ごはんが進みます。汁を飲んで具をかみしめるたびに、体だけでなく心までほぐれていくのが不思議でした。
味噌は、母曰く「信州味噌と九州の甘口味噌をブレンドしてる」のだそうです。
甘さの中にキリッとしたコクがあり、豚の脂ともよく合って、全体の味に奥行きを出しています。
出汁は昆布と鰹で、少しだけ生姜も入っていました。寒い時期にはぴったりの、あたたかい香りです。
こうして丁寧に作られた豚汁を、ゆっくりと味わいながら食べる時間。
そのひと口ごとに、「ああ、私はこの味に育てられたんだなあ」と思いました。
子どもの頃は当たり前に感じていた手料理のありがたさ。大人になって、自炊や外食を経験する中で、ようやくその尊さがわかってきた気がします。
ふと、母の手元を見ると、さりげなく野菜の皮が薄く剥かれていたり、面取りがしてあったり。
見えないところにも、たくさんの気配りが詰まっていました。
それは「上手に見せたい」ではなく、「食べやすく、美味しくしてあげたい」という気持ちの表れ。
愛情って、こういうところににじみ出るのだと思います。
食後、私は思わず「もう一杯いい?」とおかわりしてしまいました。
母は笑いながら、もう一度たっぷりよそってくれました。
あまりにも美味しくて、なんだか泣きそうになってしまいました。年のせいでしょうか、実家のごはんは心に染みます。
その日の夜、母が洗い物をしている姿を見ながら、私はこっそりスマホにメモをとりました。
「豚汁:具だくさん、汁4:具6、合わせ味噌(信州+甘口)、出汁は昆布と鰹、生姜を少し…」
同じ味を再現できるかわかりませんが、いつかこの味を私なりに受け継いで、次の世代に伝えられたらいいなと思いました。
実家の豚汁。それは特別なごちそうではありません。
けれど、私にとっては、世界一の贅沢な一杯です。
「また来るね」と言って帰る私の背中を、あの豚汁の温もりが、しばらくの間、そっと支えてくれたような気がしました。
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