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『犬人間』は、その異様な設定と倫理的な問いかけが話題を呼んだ映画です。本作は、人間の支配欲や従属関係、さらには社会における「普通」とは何かを問いかける、非常に考えさせられる作品です。今回は、そんな『犬人間』について、ストーリーの流れやテーマ、ラストシーンの赤ちゃんの意味まで深く考察しながら感想・レビューを書いていきます。
『犬人間』のあらすじ
物語の舞台は、ノルウェーの静寂な田舎町。裕福な実業家であるクリスチャンは、広大な邸宅に住みながら、ある奇妙な趣味を持っています。彼は、一人の男性フランクを「犬」として飼育しているのです。フランクは、首輪をつけ、四つん這いで歩き、吠えることを強制されています。そしてクリスチャンは、その異常な状況を全く疑うことなく、むしろ満足げに過ごしています。
一方、クリスチャンの新しい恋人シグリッドは、最初は彼のカリスマ性に惹かれていました。しかし、クリスチャンの屋敷に足を踏み入れたとき、彼女はフランクの存在に気付きます。「どうして人間を犬として飼っているの?」と疑問を抱くシグリッドに対し、クリスチャンは「これは彼が望んだことだ」と説明します。しかし、シグリッドはこの異常な状況を受け入れることができません。
やがて、彼女はフランクを解放しようと試みます。しかし、フランク自身はクリスチャンの支配から抜け出すことを恐れ、なかなか従おうとしません。そんな中、クリスチャンの支配欲はエスカレートし、物語は予想もしない展開を迎えます。
『犬人間』のテーマと考察
『犬人間』が問いかけるテーマはいくつかありますが、特に印象的なのは以下の点です。
1. 人間の支配欲と従属関係
クリスチャンのフランクに対する扱いは、単なる「犬のように扱う」以上のものです。それは、人間が他者を完全に支配し、所有物のように扱うことが可能なのか? という問いかけでもあります。フランクは自ら犬でいることを受け入れているように見えますが、それは自由意志なのか、それとも洗脳の結果なのか?
また、クリスチャンのような権力者が、どこまで他者を支配できるのかという倫理的な問題も提起されています。
2. 社会における「普通」とは何か
クリスチャンとフランクの関係は、社会的には異常なものですが、彼らにとっては「普通」になっています。この映画では、観客がこの異常な状況をどう捉えるかが試されます。「これは狂気だ」と思う人もいれば、「彼らの関係は彼らの自由だ」と考える人もいるでしょう。
これは、現実社会における価値観や倫理観の多様性を象徴しているとも言えます。
3. 解放とは何か?
シグリッドはフランクを「救おう」としますが、それは本当にフランクにとって幸せなことなのか? フランクは長年犬として生きてきたため、人間としての生活に戻ることを恐れているようにも見えます。これは、虐待を受けた人が加害者から離れることを恐れる心理と似ています。
この映画は、「自由とは何か?」「誰かを解放することは本当にその人のためになるのか?」という深い問いを投げかけてきます。
ラストシーンの赤ちゃんの意味
本作で最も衝撃的な場面の一つが、ラストシーンです。シグリッドがクリスチャンの屋敷から逃げ出した後、彼の元には新たな「ペット」がいました。それは、なんと赤ちゃんだったのです。
このシーンには、いくつかの解釈が考えられます。
1. クリスチャンの狂気のエスカレーション
フランクを犬として飼うことに飽きたクリスチャンは、次のステージへと進んだのかもしれません。赤ちゃんという純粋無垢な存在を、自分の支配下に置くことで、彼の支配欲はさらにエスカレートしていることを示しています。
2. 人間の「しつけ」への皮肉
このシーンは、人間社会における「しつけ」や教育に対する皮肉とも取れます。人間は、子供を教育し、社会のルールに適応させることで「飼いならしている」のではないか? というメッセージを含んでいる可能性があります。
3. サイクルの継続
フランクの次は赤ちゃん、という流れは、支配と従属の関係が途切れないこと を象徴しているのかもしれません。これは、虐待の連鎖や社会構造の継続性を示唆しているとも考えられます。
どの解釈が正しいかは、観る者の価値観によるでしょう。
感想・レビュー
良かった点
✅ 衝撃的なテーマ
『犬人間』は、単なるホラーやスリラーではなく、深い哲学的な問いを投げかける作品です。人間の支配欲や倫理観について考えさせられる点が素晴らしいです。
✅ 映像美
ノルウェーの広大な風景が、映画全体に不穏な静けさを与えています。この対比が、物語の異常性をより際立たせています。
✅ ラストシーンの衝撃
観た人の記憶に強く残るラストシーン。考察の余地があり、議論を呼ぶ結末になっています。
気になった点
❌ 説明不足な部分がある
フランクがなぜ犬として生きることを選んだのか、もっと詳しく描かれていれば、さらに説得力が増したかもしれません。
❌ 観る人を選ぶ作品
テーマがかなり過激なため、万人向けではありません。不快に感じる人も多いでしょう。
まとめ
『犬人間』は、人間の支配欲や従属関係について深く考えさせられる映画です。特にラストシーンの赤ちゃんは、狂気の連鎖や社会構造の皮肉を象徴しており、強烈な印象を残します。
この映画は、観る者に問いを投げかけ、答えを自ら考えさせる作品です。あなたは、この映画をどう解釈しますか?
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