こんにちは、ぽんです
いつも訪問ありがとうございます(ブックマーク・スターもありがとうございます)
ブログ更新の励みになっています
今回は、先日受験したHCD検定基礎のシラバス内容をまとめたので、ここにご紹介します
これからHCD検定を受験される方などの参考になりましたら幸いです(ちなみに今は結果待ちの状態です)
次はPD検定を受けようか考え中の会社員です
▼UX検定・HCD基礎検定のあれこれはこちら▼
- 1.理念
- 2.計画
- 3.要求定義
- 4.具現化
- 5. 評価
- 6.運用
- 7.基本知識
- 1. 戦略(Strategy)
- 2. 要求(Requirements)
- 3. 構造(Structure)
- 4. 骨格(Skeleton)
- 5. 表層(Surface)
- HCDにおける認知プロセスの役割
- まとめ
- HCDにおける記憶の役割
- HCDでの記憶の配慮
- HCDにおける長期記憶の役割
- HCDでの長期記憶の配慮
- 短期記憶の概要
- HCDにおける短期記憶の役割
- HCDでの短期記憶の配慮
- ワーキングメモリの概要
- HCDにおけるワーキングメモリの役割
- HCDでのワーキングメモリの配慮
- まとめ
- HCDでの宣言的知識の実装方法
- まとめ
- 知覚的群化の概要
- HCDにおける知覚的群化の役割
- HCDでの知覚的群化の実装方法
- まとめ
- アフォーダンスの概要
- HCDにおけるアフォーダンスの役割
- HCDでのアフォーダンスの実装方法
- HCDにおけるヒューマンエラーの全体的なアプローチ
- 暗順応(Scotopic Adaptation)
- HCDでの設計配慮
- 8.背景
- 最後に
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1.理念
1-1 人間中心デザインの理念:人間中心デザインの定義
- 利用者視点:製品やサービスの設計・開発において、実際の利用者のニーズや体験を中心に据え、その視点から問題解決や機能改善を行うアプローチ
- 共創:ユーザーやステークホルダーと協力してアイデアを生み出し、製品やサービスの設計に共同で取り組むことで、より適切で効果的なソリューションを創り上げるプロセス
- 新しい価値:ユーザーのニーズや問題を解決することで、既存の製品やサービスに対して新たに提供される有益な体験や機能のこと
- 問題の設定(発見):ユーザーのニーズや課題を明確にし、解決すべき具体的な問題を特定するプロセス
- 解決策の探求(創造):特定された問題に対して新しいアイデアや方法を考え出し、実際に解決策を形にするプロセス
- 繰り返すこと:デザインや開発の過程で試作やテストを繰り返し行い、ユーザーからのフィードバックを基に継続的に改善を進めるプロセス
- メソッド(プロセスと手法):ユーザー中心設計を実現するために用いる一連の計画的な手順や具体的な技法で、効果的なデザインとユーザー体験を導くための方法論
- マインドセット(心構え、捉え方):ユーザー中心の視点で問題解決に取り組むための基本的な考え方や姿勢で、ユーザーのニーズや体験を常に重視すること
- 人間中心設計:ユーザーのニーズ、要求、行動を中心に据えた設計アプローチで、使いやすさやユーザー体験の向上を最優先に考えた設計プロセス
- ISO9241-210:ユーザー中心設計の原則とプロセスを規定し、製品やシステムの設計においてユーザーのニーズと要求を最優先にするための国際規格
1-1 人間中心デザインの理念:人間中心デザインのコアコンセプト
- 利用者視点:デザインや開発の過程で利用者のニーズや体験を中心に考え、彼らの視点から問題解決や改善を行うアプローチ
- 共創:ユーザーや他のステークホルダーと協力してアイデアを生成し、製品やサービスの設計に積極的に参加することで、より適切で有用なソリューションを生み出すプロセス
- 新しい価値:ユーザーのニーズや問題を解決することで提供される、従来の製品やサービスにない独自で有益な体験や機能のこと
- 問題の設定(発見):ユーザーのニーズや課題を明確にし、解決すべき具体的な問題を特定するプロセス
- 解決策の探求(創造):特定された問題に対して新しいアイデアを考案し、実際に実行可能な解決策を開発するプロセス
- 繰り返すこと:デザインや開発の各段階で反復的に試作とテストを行い、ユーザーのフィードバックを基に改善を加えていくプロセス
1-1 人間中心デザインの理念:人間中心デザインのマインドセット
- 「相手の立場に立って考えられること」:他者の視点やニーズを理解し、その立場から問題解決やデザインを考えることで、より適切で効果的なソリューションを提供すること
- 「人を思いやること」:デザインや開発において、他者の感情やニーズに対して配慮し、より良い体験を提供するために心を込めて考慮すること
- 「当事者意識を持つこと」:デザインやプロジェクトに対して自分自身の責任を強く意識し、積極的に関与しながら成果を追求する姿勢を持つこと
- HCD専門家の倫理(HCD専門家倫理規範):ユーザーのニーズと安全を最優先に考え、誠実で公正な行動を維持し、設計プロセスにおける倫理的な責任を果たすための指針
1-2 「デザイン」の概念:デザインの概念の拡大
- モノからコトへ:製品やサービスそのものから、ユーザーが得られる体験や価値に重点を移し、利用者の体験を中心に考えるアプローチ
- UXデザイン:ユーザーが製品やサービスを使用する際の全体的な体験を設計し、ユーザーのニーズや期待に応えるために使いやすさと満足度を向上させる設計プロセス
- デザイン思考:ユーザーの視点から問題を深く理解し、創造的な解決策を生み出すために、共感、問題定義、アイデア創出、プロトタイピング、テストを繰り返すアプローチ
- サービスデザイン:サービス全体の体験をユーザー視点で設計し、ユーザーとサービス提供者の間の相互作用を最適化することで、価値を高めるアプローチ
- ソーシャルデザイン
- デザイン経営:デザインを企業経営の中核に据え、ユーザー中心の発想で製品やサービスの価値を高めることによって、競争優位を確立し、持続的な成長を目指す経営手法
- 人間中心組織:社員や顧客を含むすべての関係者のニーズや価値観を尊重し、彼らが持つ知識やスキルを最大限に活用して、組織全体の成果を高めることを目指す組織形態
1-3 関連する考え方:カスタマーエクスペリエンス(CX)、参加型デザイン、コ・デザイン、DE&I、人間中心ユーザーがデザインプロセスに積極的に参加し、その意見やフィードバックを反映させることで、より適切で使いやすい製品やサービスを共同で作り上げる手法AI、ダークパターン
- カスタマーエクスペリエンス(CX):顧客が製品やサービスと関わる全ての接点での体験を総合的に捉え、顧客満足度を向上させるための設計や戦略のこと
- 参加型デザイン:ユーザーがデザインプロセスに積極的に参加し、その意見やフィードバックを反映させることで、より適切で使いやすい製品やサービスを共同で作り上げる手法
- コ・デザイン:ユーザーとデザイナーが共同でデザインプロセスに関与し、ユーザーの視点やフィードバックを取り入れながら共に設計するアプローチ
- DE&I:Diversity, Equity, and Inclusion(多様性、公平性、包括性)」の略で、デザインやサービスにおいて、多様なユーザーのニーズを尊重し、全てのユーザーに対して公平で包括的な体験を提供することを目指すアプローチ
- 人間中心AI:ユーザーのニーズや体験を中心に設計され、AIシステムが人間の価値観や要望を尊重して機能するようにするアプローチ
- ダークパターン:ユーザーを意図的に混乱させたり、望まない行動を促すように設計されたユーザーインターフェースの手法やデザインのこと
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2.計画
2-1 人間中心デザインの計画:計画、要求定義、具現化、評価、運用
- プロジェクトにおける人間中心デザイン適用の意義:ユーザーのニーズや行動を深く理解し、それに基づいたデザインを行うことで、製品やサービスの使いやすさと満足度を向上させ、プロジェクトの成功と競争優位を実現すること
- 計画:プロジェクトの目標達成に向けて必要なステップやリソースを明確にし、スケジュールや予算を含めた具体的な行動指針を策定するプロセス
- 要求定義
- 具現化
- 評価
- 運用
- プロセスの選定
- プロセスの最適化
- 予算
- チーム編成
- 納期:
2-2 ユーザーの特定:1次ユーザー、2次ユーザー、間接ユーザー、ステークホルダー(関係者)の特定
- ペルソナ:ターゲットユーザーを代表する架空の人物像を作成し、その人物の特性やニーズに基づいてデザインや意思決定を行う手法
- 1次ユーザー:製品やサービスを直接使用し、主要な機能や特徴を利用する主なユーザーを指す
- 2次ユーザー:製品やサービスの主な利用者ではないが、主な利用者の活動や結果に影響を受けるユーザーを指す
- 間接ユーザー:製品やサービスの主要な利用者ではないが、その利用に影響を受ける、または利用結果に関与するユーザーを指す
- ステークホルダー:プロジェクトや製品の成功に影響を与える、または影響を受ける可能性のある関係者や利害関係者を指す
2-3 プロセスの選定および最適化:プロセスにおける各活動の位置付け、人間中心デザイン適用プロセスの最適化
- プロセスにおける各活動の位置付けや考え方:デザインプロセス内での各活動や手法の目的や役割を明確にし、それぞれの活動が全体の目標達成にどのように貢献するかを理解すること
- (プロセスの)テーラリング:特定のプロジェクトやニーズに応じて、標準的なデザインプロセスや手法をカスタマイズし、最適な方法を適用すること
- (超上流からの)繰り返し:プロジェクトの最初の段階から設計や開発のサイクルを繰り返し行い、ユーザーのニーズやフィードバックを継続的に反映させることで、最適な成果を目指す手法
- アジャイル開発:ソフトウェア開発のプロセスを小さな反復作業と定期的なフィードバックに基づいて進め、柔軟に要求の変化に対応しながら迅速に成果物を提供する手法
- リーンUX:ユーザーエクスペリエンスの改善を迅速に進めるために、仮説を立て、最小限のプロトタイプを迅速にテストし、反復的にフィードバックを取り入れるアプローチ
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3.要求定義
3-1 利用状況の把握:ユーザー調査による現状の把握
- 行動観察:ユーザーが実際に製品やサービスを使用する際の行動や反応を直接観察し、実際の利用状況や課題を理解するための手法
- 構造化インタビュー:事前に定めた質問項目に厳密に従って行い、回答を標準化することで、比較可能なデータを収集するインタビュー手法
- 半構造化インタビュー:あらかじめ設定した質問に基づきながらも、柔軟に追加質問を行い、ユーザーの深い洞察や個別の意見を引き出すインタビュー手法
- グループインタビュー(フォーカスグループ):複数のユーザーを一堂に集めて意見や体験を共有し合う形式のインタビューで、集団のダイナミクスや共通のニーズを理解するための手法
- 質問紙(アンケート):ユーザーの意見や態度、行動についてのデータを収集するために、構造化された質問を用いて情報を得る調査手法
- 定性調査:ユーザーの行動や意見を深く理解するために、インタビューや観察を通じて非数値的なデータを収集し、豊富な洞察を得る調査手法
- 定量調査:数値データを収集し、統計的手法を用いてユーザーの行動や意見のパターンを分析し、客観的なインサイトを得る調査手法
- UXカーブ:ユーザーエクスペリエンスの変化を時間軸に沿って示したグラフで、ユーザーの感情や満足度の推移を視覚化し、サービスや製品の改善点を特定するためのツール
- フィールドワーク:実際の使用環境や現場でユーザーの行動やニーズを観察・調査し、リアルな状況に基づいてデザインや改善を行うための手法
- アクセス解析:ユーザーの行動データを収集し、分析することで、ウェブサイトやアプリの利用状況やパフォーマンスを把握し、改善点を見つける手法
- コンテキストの理解:ユーザーが製品やサービスを使用する状況や環境、背景を把握し、その知識を基にデザインや機能を最適化すること
3-2 理想の利用状況の想定:To-Beの利用状況の想定
- カスタマージャーニーマップ(CJM):顧客が製品やサービスを利用する過程を視覚的に表現し、各タッチポイントでの体験や感情を理解するための手法
- サービスブループリント(SBP):サービス提供の全体的なプロセスを視覚的に表現し、顧客の接点、フロントステージとバックステージのアクション、及びプロセスの詳細な流れを示すツール
- (構造化)シナリオ:ユーザーの行動や利用状況を体系的に詳細化し、システムやサービスの設計における具体的な要件や課題を明確にする手法
3-3 潜在・本質的要求の把握:ユーザーの本質的要求の把握
- タスク分析:ユーザーが特定の目標を達成するために必要な具体的な作業や手順を詳細に分析し、効率的なインターフェースや機能設計に役立てる手法
- KA法:ユーザーの行動やニーズを分析するために、ユーザーの行動を観察し、問題点や改善点を特定する手法で、主にユーザビリティ向上に役立てられる
- 上位下位関係分析:情報やタスクの階層的な関係を明確にし、主要な項目とそのサブ項目の関係を整理することで、ユーザーの理解やナビゲーションの効率を高める手法
- 評価グリッド:異なる設計案やアイデアを比較・評価するための基準を整理し、視覚的に配置してそれぞれの利点や欠点を明確にする分析ツール
3-4 提供価値・要求の定義:ユーザー要求定義
- バリュープロポジションキャンバス:顧客のニーズと製品やサービスの提供価値を視覚的にマッピングし、価値提案の明確化とユーザー満足度の向上を目指すツール
- 構造化シナリオ法:ユーザーの利用状況や操作プロセスを体系的に記述し、デザインや機能要件の明確化に役立てる手法
- ユーザーストーリーマッピング:ユーザーの目標や活動をストーリー形式で整理し、製品やサービスの機能やタスクを優先順位に基づいて視覚的に配置する手法
3-5 要求のモデル化:ユーザー要求を構造化・視覚化
- ペルソナ法:ターゲットユーザーを代表する架空の人物(ペルソナ)を作成し、その特性やニーズに基づいてデザインを進める手法
- ビジネスモデルキャンバス:ビジネスモデルを視覚的に整理し、顧客セグメント、価値提案、チャネル、収益源などの要素を一枚のキャンバスで把握・分析するツール
- ユーザーシナリオ:特定のユーザーが製品やサービスをどのように利用するかを具体的な状況やストーリー形式で描写し、ユーザー体験を理解・設計するための手法
- ユーザーストーリーマッピング:ユーザーの体験をストーリー形式で可視化し、ユーザーの目標やニーズに基づいて機能やタスクの優先順位を決定する手法
- 構造化シナリオ法:ユーザーの行動や状況を詳細に分析し、システムやサービスの利用過程を体系的に描写することで、デザインや改善点を明確にする手法
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4.具現化
4-1 アイデアの創造:発想法
- ブレインストーミング:問題解決のために多様なアイデアや解決策を自由に発想し、創造的な意見を集めるためのグループディスカッション手法
- KJ法:アイデアや情報をカードに記入し、それらをグループ化して関連性を見出し、問題解決やアイデアの整理を行う手法
4-2 アイデアの視覚化:プロトタイピング
- ペーパープロトタイピング:紙やボードを用いてユーザーインターフェースの設計を視覚化し、インタラクションやレイアウトをテストする手法
- ラピッドプロトタイピング:短期間で迅速にプロトタイプを作成し、ユーザーのフィードバックを基にデザインを反復・改善する手法
- ワイヤーフレーム:ユーザーインターフェースの基本的な構造やレイアウトを示すシンプルな視覚的スケッチで、コンテンツの配置やナビゲーションの流れを明確にするための設計ツール
4-3 デザイン原則の適用:ガイドラインの作成
- デザイン原則:ユーザーエクスペリエンスを最適化するための基本的な設計基準やガイドラインで、使いやすさや一貫性を確保するための指針となるもの
- ユーザーインタフェースガイドライン:ユーザーインターフェースの設計と実装において、使いやすさや一貫性を保つための標準的なルールやベストプラクティスを示す指針
- デザインシステム:ユーザーインターフェースの一貫性と効率性を確保するために、デザイン要素、パターン、ガイドラインを体系的にまとめた統合的なフレームワーク
- スタイルガイド:デザインの一貫性を保つために、色、フォント、レイアウトなどのビジュアル要素とそれらの使用方法に関する基準やルールを定めた文書
- デザインガイドライン:ユーザーエクスペリエンスを向上させるために、デザインプロセスにおける基本的なルールや推奨事項を示した指針
4-4 情報構造:情報構造のデザイン
- 情報アーキテクチャ:情報やコンテンツの構造と組織を設計し、ユーザーが効率的に情報を探し、理解できるようにするための設計手法
- ワイヤーフレーム:ユーザーインターフェースの基本的な構造やレイアウトを示す視覚的な設計図で、具体的なデザイン要素や機能配置をシンプルに表現する手法
- サイトマップ:ウェブサイトの全体的な構造やページの階層関係を視覚的に示し、ユーザーが情報を効果的にナビゲートできるようにする設計ツール
4-5 インタラクションデザイン:顧客接点におけるインタラクションのデザイン
- サービスブループリント:サービスプロセスを視覚的に表現し、顧客の接点、フロントステージとバックステージのアクション、及びサービスの全体的な流れを詳細に描写するツール
- ストーリーボーディング:ユーザーの体験やプロセスを視覚的に連続したシーンで表現し、サービスや製品の使用過程を理解しやすくする手法
- 8つの黄金律:ユーザーインターフェースの設計において、使いやすさを向上させるための基本的なガイドラインや原則を示した8つの重要なルール(
- 法則1. UIに一貫性をもたせる
- 法則2. ショートカットを活用する
- 法則3. フィードバックを提供する
- 法則4. エラーを防ぐ
- 法則5. 操作を取り消せるようにする
- 法則6. 操作している実感を与える
- 法則7. 認知的負荷を抑える
- 法則8. 作業が完了したことをユーザーに知らせる)
- 対話の原則:ユーザーとシステムのインタラクションを円滑にし、ユーザーがシステムとの対話を理解しやすくするための基本的なデザインガイドライン
- デザインパターン(画面レイアウト、UIパーツ、画面遷移):ユーザーインターフェース設計において一般的に使われる画面構成や操作部品、そして画面間の遷移の標準的な手法やテンプレート
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5. 評価
5-1 専門家による評価:専門家による評価の目的と意味
- 専門家評価:ユーザーエクスペリエンスの専門家が製品やサービスのデザインや機能について、専門的な視点から評価し、改善点や潜在的な問題点を指摘するプロセス
- インスペクション法:ユーザーエクスペリエンスの専門家が製品やサービスを詳細に検査し、ユーザーインターフェースや機能の問題点を特定する手法
- ヒューリスティック(経験則)評価法:ユーザーインターフェースの使いやすさを評価するために、ユーザビリティの専門家が一連の経験則に基づいて問題を特定する手法
5-2 利用者による評価:利用者による評価の目的と意味
- ユーザビリティテスト:ユーザーが製品やサービスを使用する際の使いやすさや課題を評価するために、実際のユーザーによる操作を観察し、フィードバックを収集するプロセス
- コンセプトテスト:製品やサービスの初期アイデアやコンセプトがターゲットユーザーにどのように受け入れられるかを評価するために、ユーザーの反応を収集し、理解するプロセス
- 受容性評価:新しい製品やサービスがユーザーに受け入れられるかどうか、またその価値や有用性についての評価を行うプロセス
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6.運用
6-1 実利用状況の把握:実利用状況を取得することの重要性
実利用状況:
- 製品開発: 家電、電子機器、自動車などの製品設計で、ユーザビリティを高めるためにユーザー調査やプロトタイピングを実施。
- ソフトウェア開発: アプリケーションやウェブサイトのUI/UXデザインにおいて、ユーザーのフィードバックを取り入れて改善。
- サービスデザイン: 病院や公共サービスなど、利用者が直面するタッチポイントの改善にHCDを導入し、利用者体験を向上。
- 教育・トレーニング: 教材や学習プラットフォームの設計で、学習者の理解しやすさや利用しやすさを重視。
リリース後:ユーザーからのフィードバックを収集し、継続的に改善を行うフェーズ
バージョンアップ:リリース後に得たユーザーフィードバックや新たな要求に基づき、システムや製品の機能やデザインを改良するプロセス
アクセス解析:ユーザーの行動データを収集・分析して、どのように製品やサービスにアクセスしているかを理解し、ユーザー体験を向上させるためのインサイトを得るプロセス
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7.基本知識
7-1 情報デザイン:概念、構造(要素)
UXの5要素(戦略、要求、構造、骨格、表層):
1. 戦略(Strategy)
- プロジェクトの目的と目標を定義する段階
- ビジネスゴールやユーザーのニーズを明確にし、全体の方向性を決定する
- ターゲットユーザーや市場、競合などの調査を行い、ユーザーに提供する価値や解決すべき問題を特定する
2. 要求(Requirements)
- 戦略で定義された目標を達成するために必要な要件を具体化する段階
- 機能要件(システムや製品が何をできるべきか)とコンテンツ要件(どのような情報を提供するか)を洗い出す
- プロジェクトのスコープを明確にし、開発の方向性を決める
3. 構造(Structure)
- 情報の組織化とナビゲーションの設計を行う段階
- 情報アーキテクチャを設計し、ユーザーがどのように情報を探し、利用するかを考える
- サイトマップやワイヤーフレームを作成し、情報の流れや各ページの関係を明確にする
4. 骨格(Skeleton)
- インターフェースデザインの基礎を構築する段階
- 具体的には、レイアウト、ナビゲーション、情報の表示方法などを設計する
- ワイヤーフレームを詳細化し、ユーザーがインターフェースとどのようにインタラクトするかを視覚化する
5. 表層(Surface)
- 最終的なビジュアルデザインを行う段階
- 色、フォント、グラフィックなど、製品やサービスの見た目を決定する
- ユーザーの感情やブランドイメージに影響を与える重要な要素であり、ユーザーに最初に触れる部分
7-2 人間の特性:人間工学、認知心理学、認知科学、文化人類学
- 認知プロセス:ユーザーが情報を受け取り、理解し、解釈し、意思決定を行う過程を指す。ユーザーの思考や判断に関わる一連の心理的な活動を含んでおり、HCDではこれらのプロセスを考慮してデザインを行うことが重要。
認知プロセスの概要
- 認知的処理の段階
- 知覚(Perception): ユーザーが外部からの情報(視覚、聴覚、触覚など)を受け取り、感覚的に処理する段階。情報は感覚記憶に一時的に保存される
- 注意(Attention): 知覚された情報の中から、重要な情報や関連性のある情報に焦点を合わせるプロセス。注意は有限なリソースであり、ユーザーは情報を選別して集中する
- 理解(Comprehension): 注意を向けた情報を解釈し、意味を理解するプロセス。情報は短期記憶に一時的に保持され、既存の知識と結びつけられる
- 記憶(Memory): 理解した情報を長期記憶に保存するプロセス。長期記憶に定着した情報は、将来の判断や意思決定に利用される。
- 判断(Judgment): 保存された情報や過去の経験に基づいて、選択肢や行動を評価し、最適な選択を行うプロセス。
- 意思決定(Decision-Making): 判断に基づいて具体的な行動や選択を決定するプロセス。意思決定は実際の行動や操作に反映される
HCDにおける認知プロセスの役割
-
UXの最適化:
- 認知プロセスを理解することで、ユーザーの情報処理の流れをスムーズにし、UXを向上させることができます(例:直感的なナビゲーションや分かりやすい情報提示)
-
情報の提示とデザイン:
- ユーザーが情報を迅速に知覚し、理解できるようにするためのデザインが求められる(例:情報の階層化や視覚的な強調、明確なラベル付けなど)
-
エラーの予防と修正:
- ユーザーが誤った判断を行わないように、認知的な負担を軽減するデザインが必要(例:エラー防止のための確認ダイアログやフィードバック機能)
-
学習と適応:
- 認知プロセスを考慮して、ユーザーが新しいシステムやツールを学びやすくし、適応しやすくすることができる(例:チュートリアルやヘルプ機能)
HCDでの認知プロセスの配慮
-
視覚的デザインの工夫:
- ユーザーが情報を効率的に知覚できるように、視覚的に明瞭なデザインを採用します(例:重要な情報を目立たせるための色使いやレイアウトが考えられる)
-
注意の管理:
- ユーザーの注意を引くために、重要な情報やアクションを明確に示すデザインを行う(例:重要なボタンや通知を目立たせることで、ユーザーの注意を集中させる)
-
情報の構造化:
- 情報を論理的に構造化し、ユーザーが理解しやすい形で提示(例:情報をカテゴリー分けし、階層的に表示することで、ユーザーが必要な情報を見つけやすくする)
-
ユーザーの経験を考慮したデザイン:
- ユーザーの過去の経験や知識を考慮し、その上に新しい情報を積み重ねるデザインを行う。これにより、学習の効率を高めることができる
-
エラーのフィードバック:
- 認知エラーを防ぐために、リアルタイムでのフィードバックやエラー修正のサポートを提供する(例:入力エラーを即座に指摘し、修正方法を示すことが有効)
まとめ
HCDにおける認知プロセスは、ユーザーが情報を知覚し、理解し、記憶し、判断し、意思決定を行う過程を含む。これらのプロセスを理解し、デザインに反映することで、UXを向上させ、操作の効率を高めることができる。視覚的デザイン、注意の管理、情報の構造化、ユーザー経験の考慮、エラーのフィードバックなどが、認知プロセスをサポートし、より良いユーザー体験を提供するための重要な要素
- 認知的処理の段階
- 記憶:ユーザーが情報をどのように保持し、利用するかに関する理解を指す。記憶は、短期記憶(ワーキングメモリ)、長期記憶、感覚記憶の3つの主要なシステムを含み、それぞれがユーザーのエクスペリエンスに重要な影響を与える。HCDでは、これらの記憶システムを理解し、デザインに活かすことが重要
記憶の概要
-
感覚記憶(Sensory Memory):
- 定義: 感覚器官を通じて受け取った情報が短時間(一瞬から数秒間)保持される記憶
- 役割: 初期の感覚入力を処理し、必要な情報を短期間保持する。視覚(アイコニックメモリ)や聴覚(エコイックメモリ)などの情報を含む
-
短期記憶(Short-Term Memory):
- 定義: 短期間(数秒から数分間)にわたり情報を保持し、作業に利用する記憶
- 役割: タスクを実行する際に必要な情報を保持し、操作や決定に活用する。容量は限られており、通常は7±2個の情報単位を処理できる
-
長期記憶(Long-Term Memory):
- 定義: 情報を長期間(数日から数十年、またはそれ以上)にわたって保持する記憶
- 役割: 経験や学習から得た知識を保存し、将来的に利用するための記憶。容量はほぼ無限で、情報は関連性に基づいて組織化される
HCDにおける記憶の役割
-
ユーザーの学習と習熟:
- 記憶は、ユーザーがシステムやツールの操作を学び、習熟するために不可欠。短期記憶に一時的に保持された情報が、長期記憶に定着することで、繰り返しの使用や新しいタスクに応じて役立つ
-
タスクの効率性:
- ユーザーがタスクを実行する際、記憶の利用が効率的であることが重要です。情報が短期記憶に適切に保持されることで、タスクがスムーズに進行し、長期記憶に定着することで再利用が容易になる
-
エラーの防止と学習の強化:
- ユーザーが過去の経験や学習に基づいてエラーを防ぐために、記憶の役割が重要。正しい操作や知識を長期記憶に定着させることで、エラーを減少させ、効率的な作業を支援する
HCDでの記憶の配慮
-
情報の整理とチャンク化:
- 情報を意味のある単位(チャンク)に分け、短期記憶の容量を考慮して提供する。これにより、ユーザーが情報を効率的に処理し、記憶しやすくなる
-
一貫したインターフェースデザイン:
- 一貫性のあるデザインや操作手順を提供し、ユーザーが学習した情報やスキルを長期記憶に定着させるためのサポートを行う
-
視覚的およびインタラクティブなフィードバック:
- 視覚的な手がかりやインタラクティブな要素を提供し、ユーザーの感覚記憶と短期記憶をサポートする。これにより、操作の結果を瞬時に認識しやすくする
-
学習リソースとサポート:
- 学習をサポートするためのリソースやトレーニングを提供し、ユーザーが新しい情報を長期記憶に定着させるのを助ける。チュートリアルやヘルプドキュメントが有効
-
リマインダーとレビュー機能:
- 定期的なリマインダーやレビュー機能を提供し、ユーザーが重要な情報を思い出しやすくする。これにより、長期記憶の維持をサポートする
まとめ
HCDにおける記憶は、ユーザーが情報を保持し、利用するための重要な要素。感覚記憶、短期記憶、長期記憶のそれぞれの特性を理解し、デザインに活かすことで、UXを向上させ、操作の効率性を高めることができる。記憶に配慮したデザインは、ユーザーの学習、タスクの実行、エラーの防止において重要な役割を果たします。ユーザーが情報をどのように保持し、利用するかに関する理解を指す。記憶は、短期記憶(ワーキングメモリ)、長期記憶、感覚記憶の3つの主要なシステムを含み、それぞれがUXに重要な影響を与える。HCDでは、これらの記憶システムを理解し、デザインに活かすことが重要。
-
- 長期記憶:情報を長期間にわたり保持するための記憶システム。長期記憶は、経験や学習から得た知識を保存し、将来的に利用できるようにする役割を持っている。HCDでは、長期記憶を考慮してデザインすることが、ユーザーが情報を覚えやすく、効果的に利用できるようにするために重要
長期記憶の概要
-
定義: 長期記憶は、情報を長期間にわたり保存する記憶システムで、数日から数十年、あるいはそれ以上の期間にわたり情報を保持することができる。情報は、意識的な学習や経験を通じて長期記憶に移行する
-
特性:
- 容量の広さ: 長期記憶はほぼ無限の情報を保存できると考えられており、記憶容量の制限はほとんどない
- 保存の耐久性: 長期記憶に保存された情報は、適切なリトリーバル(再取得)を行えば、長期間にわたり保持される
- 情報の組織化: 長期記憶に保存される情報は、関連性に基づいて組織化され、スキーマやネットワーク構造を形成する
HCDにおける長期記憶の役割
-
ユーザーの学習:
- 長期記憶は、ユーザーがシステムやツールを学習し、操作を習得するために重要。習得した操作や知識が長期記憶に保存され、繰り返し使用する際に役立つ
-
記憶に基づく行動:
- ユーザーが過去の経験や学習に基づいて行動する際に、長期記憶が関与する。ユーザーが以前の操作や選択を覚えていることで、新しいタスクに応じた適切なアクションを選択できる
-
ユーザーエクスペリエンスの向上:
- 長期記憶を考慮してデザインすることで、ユーザーが必要な情報や操作方法を効率的に思い出しやすくし、エクスペリエンスを向上させることができる
HCDでの長期記憶の配慮
-
一貫性と習慣性:
- 一貫性のあるデザインや操作手順を提供し、ユーザーが一度学習した情報やスキルを長期的に保持できるようする。習慣的な操作やインターフェースの一貫性は、長期記憶の形成を助ける。
-
リマインダーとレビュー:
- 定期的なリマインダーやレビュー機能を提供し、ユーザーが重要な情報や操作方法を思い出しやすくする(例:再利用可能なテンプレートやサポートドキュメントが役立つ)
-
明確なナビゲーションとインデックス:
- 明確なナビゲーションやインデックスを提供することで、ユーザーが長期的に保存した情報にアクセスしやすくする(例:検索機能やカテゴリー分けされたコンテンツがこれに該当する)
-
学習のサポート:
- ユーザーが新しい情報やスキルを学ぶ際にサポートを提供し、長期記憶に定着させるための学習リソースやトレーニングを提供する(例:インタラクティブなチュートリアルや教育的なコンテンツ)
-
フィードバックと強化:
- ユーザーが適切な操作や知識を使用した際にポジティブなフィードバックを提供し、長期記憶に定着させるための強化を行う。成功体験や達成感を促すことで、記憶の定着を助ける
まとめ
HCDにおける長期記憶は、ユーザーが長期間にわたり情報を保持し、利用するための重要な要素。長期記憶を考慮してデザインすることで、ユーザーが学習した情報を効果的に思い出し、利用できるようになる。一貫性のあるデザイン、リマインダー、明確なナビゲーション、学習サポート、フィードバックが、長期記憶の形成と活用に役立つ
-
- 短期記憶:短期間にわたり情報を保持し、利用するための記憶システム。短期記憶は、数秒から数分間の間に情報を保持し、処理するために使用される。HCDでは、ユーザーが短期記憶を効率的に活用できるようにデザインすることが重要
- 感覚記憶:感覚入力(視覚、聴覚、触覚など)を非常に短い期間(数ミリ秒から数秒)保持する記憶システム。感覚記憶は、ユーザーが直面する情報を瞬時に処理し、適切な次のステップへと進むための基盤を提供する
- ワーキングメモリ:情報を一時的に保持し、操作するための脳の機能を指す。ユーザーがタスクを実行したり、問題を解決したりする際に、ワーキングメモリは重要な役割を果たす。HCDでは、デザインがワーキングメモリの限界を考慮し、ユーザーが効率的に情報を処理できるようにすることが求める。
ワーキングメモリの概要
-
定義: ワーキングメモリは、短期間の間に情報を保持し、処理するためのメモリシステム。情報を一時的に保持し、操作しながらタスクを実行するために必要。
-
特性:
- 容量の限界: ワーキングメモリには保持できる情報の量に限りがある。一般的に、7±2個の情報単位を短期間保持できるとされている
- 情報の処理: ワーキングメモリは、情報を一時的に保持するだけでなく、複数の情報を操作し、組み合わせてタスクを実行するために使用される
HCDにおけるワーキングメモリの役割
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タスクの効率性:
- ユーザーがタスクを効率的に実行できるようにするためには、ワーキングメモリに負担をかけないデザインが重要。情報の過負荷を避け、簡潔で明確なインターフェースを提供することが求められる
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エラーの軽減:
- ワーキングメモリの限界を考慮してデザインすることで、ユーザーのエラーを減少させることができる。複雑な操作や大量の情報を一度に処理することを避けるようにする
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ユーザーの負担軽減:
- ワーキングメモリの負担を軽減することで、ユーザーはより快適にインターフェースを使用でき、効率的に作業を進めることができる
HCDでのワーキングメモリの配慮
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情報の整理とグループ化:
- 情報を意味のある単位やグループに分けることで、ユーザーがワーキングメモリを効果的に使用できるようする(例:設定オプションをカテゴリごとに分けることで、情報を簡単に管理できるようにすること)
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一貫性と簡潔さ:
- インターフェースのデザインを一貫性のあるものにし、情報や操作が簡潔で明確になるようにする。ユーザーがワーキングメモリを効率的に利用しやすくなる
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分割と段階的な提示:
- 長いタスクや複雑なプロセスを小さなステップに分割し、段階的に提示することで、ユーザーが情報を処理しやすくする(例:ウィザード形式でステップごとに進む形でタスクを分割すること)
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視覚的な手がかりとフィードバック:
- 視覚的な手がかりやフィードバックを提供し、ユーザーが現在の状況や進行状況を理解しやすくすることで、ワーキングメモリの負担を軽減する(例:進捗バーやチェックリストを使ってユーザーの作業状況を可視化する)
まとめ
HCDにおけるワーキングメモリは、情報を一時的に保持し、処理するための重要な機能。ユーザーが効率的にタスクを実行し、エラーを最小限に抑えるためには、ワーキングメモリの限界を考慮したデザインが必要。情報の整理、簡潔さ、視覚的な手がかりを提供することで、ユーザーのワーキングメモリを効果的にサポートし、より良いユーザーエクスペリエンスを提供できる
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- 宣言的知識:事実や情報に関する知識を指す。これは「何を知っているか」に関連するもので、特定の事実、概念、原則などについての理解を含む。宣言的知識は、ユーザーが情報や概念を把握し、それに基づいて意思決定や問題解決を行うための基盤を提供する。
- 手続き的知識:特定のタスクや操作を実行するための手順や方法に関する知識を指す。これは、ユーザーがどのようにして目標を達成するかを理解し、実際に行動するためのスキルやプロセスを含む
手続き的知識の概要
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定義: 特定のプロセスや手順を理解し、それを実行するための知識。「何をするか」ではなく「どのようにするか」に関する知識
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例: ソフトウェアの操作方法、料理のレシピ、特定の手続きや操作を実行するための手順などが手続き的知識に該当する(例:Excelでグラフを作成する手順や、特定のソフトウェアでデータを分析する方法)
HCDにおける手続き的知識の役割
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タスクの達成:
- 手続き的知識は、ユーザーが特定のタスクを効率的に達成するために必要。ユーザーがどのようにして操作を実行し、目的を達成するかを理解することで、効率的に作業を行う
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学習の支援:
- 新しいシステムやツールを学ぶ際、ユーザーが手続き的知識を習得することで、ツールを効果的に使用できるようになる。HCDでは、ユーザーが手続き的知識を容易に習得できるように設計する
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エラーの防止:
- 手続き的知識が明確であれば、ユーザーはエラーを最小限に抑え、正確に操作を行うことができる手順が明確で分かりやすいと、誤操作を防ぎやすくなる
HCDでの手続き的知識の実装方法
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明確な手順の提供:
- ユーザーがタスクを実行するための手順を明確に提供する。これには、チュートリアル、ガイド、ステップバイステップの指示が含まれる(例:アプリケーションの設定や機能の使い方を詳細に説明するユーザーマニュアルを作成する)
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インタラクティブなサポート:
- インタラクティブなチュートリアルやヘルプ機能を提供し、ユーザーが実際に操作しながら手続き的知識を習得できるようにする(例:アプリ内でのヒントやウォークスルー)
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フィードバックと修正:
- ユーザーが手続き的な操作を行った際に、リアルタイムでフィードバックを提供し、操作が正しく行われているかどうかを確認できるようにする。これにより、ユーザーは手順を修正したり、理解を深めたりすることができる
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プロセスの簡素化:
- 手続き的知識の習得を容易にするために、プロセスや操作を簡素化し、必要な手順を最小限に抑える。ユーザーが必要な情報や操作に迅速にアクセスできるようにする
まとめ
HCDにおける手続き的知識は、ユーザーが特定のタスクや操作を実行するための手順や方法に関する知識を指する。手続き的知識を理解し、効率的に学習・実行できるようにすることは、ユーザーエクスペリエンスを向上させ、操作の精度と効率を高めるための重要な要素。HCDの設計では、手続き的知識を支援するために、明確な指示やサポートを提供することが求められる
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- チャンク:情報を小さく、管理しやすい単位に分けることを指す。これにより、ユーザーが情報を効果的に処理し、理解しやすくすることができる。チャンク化は、認知心理学の原則に基づき、ユーザーが情報を記憶しやすく、効率的に利用できるようにするための重要な手法。
チャンクの概要
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定義: 情報を意味のあるグループや単位に分割すること。人間の短期記憶は一度に処理できる情報の量に限界があるため、情報をチャンクに分けることで、記憶と認識を容易にする
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例: 電話番号を「123-456-7890」といった形式で分けることや、長い文章を短いフレーズに分ける
HCDにおけるチャンクの役割
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情報の処理の簡素化:
- チャンク化することで、大量の情報を小さな単位に分け、ユーザーが情報をより簡単に処理できるようにする。これにより、ユーザーの認知的負担が軽減される
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記憶のサポート:
- 意味のある単位に情報を分割することで、ユーザーが情報を長期記憶に保存しやすくなる(例:製品の設定項目をカテゴリー別に分けて表示することで、ユーザーは各カテゴリーを記憶しやすくなる)
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ナビゲーションの改善:
- 情報をチャンクに分けることで、ナビゲーションが直感的になり、ユーザーが必要な情報を迅速に見つけやすくなる(例:メニュー項目をグループ化して表示することで、ユーザーが目的の機能にアクセスしやすくする)
HCDでのチャンク化の実装方法
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情報のグループ化:
- 似たような情報や機能をグループ化し、ユーザーが意味のある単位で情報を理解できるようにする(例:設定画面を「一般設定」「通知設定」「プライバシー設定」などのカテゴリに分けること)
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階層的なデザイン:
- 情報を階層的に整理し、ユーザーが上位のカテゴリから詳細な情報へと進むことができるようにする。これにより、ユーザーは全体像を把握しながら詳細な情報にアクセスできる
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視覚的な区分:
- チャンクを視覚的に区分けし、情報がどのようにグループ化されているかを明確にする(例:ボックスやセクションで情報を分けることで、ユーザーは情報の関連性を理解しやすくなる)
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ユーザーのタスクに合わせたチャンク化:
- ユーザーのタスクや目的に合わせて情報をチャンク化し、タスク完了のために必要な情報を適切に提供する(例:オンラインフォームを関連するセクションごとに分け、ユーザーが一度に入力する項目を少なくすること)
まとめ
HCDにおけるチャンクは、情報を意味のある単位に分けることで、ユーザーが情報を処理しやすく、記憶しやすくするためのデザイン手法。チャンク化を適切に活用することで、ユーザーエクスペリエンスを向上させ、操作の効率を高めることができる
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- 知覚的群化:ユーザーが視覚的情報を認識し、関連する要素をグループ化して理解するプロセスを指す。これは、視覚的なデザインを通じて情報を効果的に整理し、ユーザーが直感的に理解しやすいインターフェースを提供するための重要な概念
知覚的群化の概要
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定義: 視覚的な要素がどのように関連しているかをユーザーが自然に把握し、情報をグループ化して理解する能力を指す。これは、視覚的な近接性、類似性、閉合性などの原則に基づく。
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例: 同じ色や形のボタンを並べて、ユーザーにそれらが関連していることを示すことが知覚的群化の一例。また、フォームの入力フィールドを適切にグループ化することで、ユーザーがどの情報をどこに入力すればよいかを直感的に理解しやすくする。
HCDにおける知覚的群化の役割
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情報の整理:
- 知覚的群化を利用することで、情報を視覚的に整理し、ユーザーが関連する要素を簡単に識別できるようにする。これにより、複雑な情報がより理解しやすくなる。
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ナビゲーションの明確化:
- 関連する操作や情報をグループ化することで、ユーザーがナビゲーションや操作を直感的に理解できるようにする(例:ナビゲーションメニューをカテゴリ別に整理することで、ユーザーが必要な情報を迅速に見つけやすくなる)
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ユーザーエクスペリエンスの向上:
- デザインの整合性を保つことで、ユーザーのエクスペリエンスが向上し、使いやすさが高まる。視覚的に関連性を示すことで、ユーザーがスムーズに操作を行えるようにする。
HCDでの知覚的群化の実装方法
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視覚的近接性:
- 関連する要素を近くに配置し、ユーザーがそれらが関連していると認識しやすくします(例:関連する入力フィールドやボタンをグループ化して配置する)
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類似性の利用:
- 色や形、スタイルが似ている要素をグループ化することで、ユーザーにその要素が関連していることを示す(例:同じ色や形のアイコンを使用して、関連する機能を示す)
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閉合性の原則:
- 視覚的に区切りを設けて、関連する情報や操作をグループ化し、全体として一つのまとまりに見せることで、ユーザーが情報を整理しやする
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一貫性のあるデザイン:
- グループ化の原則に基づいて、一貫性のあるデザインを維持し、ユーザーが視覚的に関連性を直感的に理解できるようにする
まとめ
HCDにおける知覚的群化は、視覚的な要素を整理し、ユーザーが情報を効果的に理解しやすくするためのデザイン原則。知覚的群化を活用することで、インターフェースの使いやすさを向上させ、ユーザーエクスペリエンスを高めることができる。
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- アフォーダンス:ユーザーが物やインターフェースの機能や使用方法を自然に理解できるようにするための設計概念。アフォーダンスは、物の形状やデザインがその使用方法を示唆することによって、ユーザーに直感的な操作を可能にする。
アフォーダンスの概要
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定義: アフォーダンスとは、オブジェクトの形状やデザインがその使用方法や機能を示唆する特性を指す。つまり、オブジェクトがどのように使われるかを直感的に理解させるデザイン要素。
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例: ドアの取っ手やボタンの形状が、どのように操作すべきかを示唆することがアフォーダンスの一例(例:押すための取っ手や引くためのレバーなどは、ユーザーが直感的にその使用方法を理解する助けになる)
HCDにおけるアフォーダンスの役割
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直感的な操作:
- アフォーダンスは、ユーザーが直感的にオブジェクトやインターフェースの使用方法を理解できるようにする。これにより、学習曲線を短縮し、エラーを減少させる
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使いやすさの向上:
- 明確なアフォーダンスを持つデザインは、ユーザーが予測しやすい操作を可能にし、使いやすさを向上させる
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ユーザーの自信の向上:
- アフォーダンスが明確であると、ユーザーは自信を持って操作でき、試行錯誤を減少させることができる
HCDでのアフォーダンスの実装方法
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視覚的手がかり:
- ボタンやスイッチの形状、色、サイズなどを工夫し、その機能や操作方法を視覚的に示す(例:押すためのボタンに凹凸をつけることで、押すことが予測できるようにする)
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一貫したデザインパターン:
- 一貫性のあるデザインパターンを使用し、ユーザーが既に知っている操作方法や機能と一致させる(例:一般的なアイコンやメタファーを使うことで、ユーザーの理解を助ける)
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フィードバック:
- 操作が行われた際に明確なフィードバックを提供し、ユーザーがアフォーダンスに基づく操作が成功したかどうかを確認できるようにする(例:ボタンを押したときに視覚的な変化や音がすることで、操作が成功したことが確認できる)
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ユーザビリティテスト:
- ユーザビリティテストを通じて、ユーザーがどのようにアフォーダンスを解釈し、操作するかを確認し、デザインの改善点を見つける
まとめ
HCDにおけるアフォーダンスは、ユーザーが物やインターフェースの機能を直感的に理解しやすくするためのデザイン原則。アフォーダンスを効果的に利用することで、ユーザーは自然な操作感を得ることができ、使いやすさやユーザー満足度を向上させることができる
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- スキーマ:ユーザーが知識や経験を基にして物事を理解し、情報を整理するための認知的な枠組みや構造を指す。スキーマは、ユーザーが新しい情報を既存の知識と結びつけて理解しやすくするための重要な要素。
スキーマの概要
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定義: スキーマとは、特定の状況やカテゴリーに関する知識や経験の集まりであり、物事を理解するための認知的なテンプレートやフレームワークです。これにより、ユーザーは新しい情報を迅速に処理し、意味を見出すことができます。
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例: 日常生活でよく使われるスキーマには、「カフェに行く」といった場合に期待される一連の行動や、「メールを送る」ときに求められる操作手順などがあります。
HCDにおけるスキーマの役割
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情報の整理と理解:
- スキーマは、ユーザーが新しい情報や操作方法を既存の知識と関連付けて理解するのに役立ちます。これにより、インターフェースの使いやすさや直感性が向上します。
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ナビゲーションの効率化:
- 一貫性のあるデザインやパターンを使用することで、ユーザーが予測可能な操作を行いやすくし、スキーマに基づいた直感的なナビゲーションを可能にします。
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学習のスムーズさ:
- ユーザーが新しいシステムやツールを習得する際、既存のスキーマに基づいて学習することで、習得がスムーズになります。たとえば、一般的なUIコンポーネントや操作パターンを使用することで、ユーザーは新しいシステムに迅速に適応できます。
HCDでのスキーマに基づいた設計のアプローチ
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一貫性のあるデザイン:
- デザインの一貫性を保ち、ユーザーが既知のスキーマに基づいて操作できるようにする(例:ボタンの位置やラベル、ナビゲーションの構造を統一すること)
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ユーザーリサーチ:
- ユーザーの既存のスキーマや期待に関する情報を収集し、それに基づいてデザインを調整する。これにより、ユーザーがスムーズに新しいシステムを理解し、使用できるようになる
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シンプルで直感的なインターフェース:
- 複雑な操作を避け、直感的に理解できるインターフェースを提供することで、ユーザーのスキーマを補完し、学習曲線を緩やかにする
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フィードバックとサポート:
- ユーザーがスキーマに基づいた誤操作や混乱を避けるために、適切なフィードバックやヘルプ機能を提供する
まとめ
HCDにおけるスキーマは、ユーザーが新しいシステムや情報を既存の知識と結びつけて理解するための認知的な枠組み。HCDでは、ユーザーのスキーマに基づいた設計を行うことで、使いやすく、直感的なデザインを提供し、ユーザーの学習や操作の効率を高めることを目指す
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- 学習の正の転移:ユーザーが既に学習したスキルや知識が、新しい製品やシステムの使用においても有利に働くことを指す
- ヒューマンエラー(ミステイク、スリップ、ラプス):
1. ミステイク(Mistakes)
- 定義: ユーザーが意図した結果と異なるアクションを選択することによって起こるエラー。これは主に、誤った判断や理解から生じるエラー。
- HCDの対応:
- 明確な指示: ユーザーが理解しやすいガイダンスや指示を提供し、意図しない操作を防ぐ。
- ユーザー教育: ユーザーがシステムやプロセスを理解できるように、教育的なサポートを提供する。
- デザインの整合性: 一貫性のあるデザインやメッセージを提供し、混乱や誤解を避ける。
2. スリップ(Slips)
- 定義: ユーザーが正しい意図を持っているが、手や指の操作ミスやクリックミスなどによってエラーが発生すること。通常、意図と実際の行動が一致しない場合に起こる。
- HCDの対応:
- 操作の明確化: ボタンやインターフェースの位置、サイズ、形状を工夫し、意図しない操作を防ぐ。
- フィードバックの提供: 操作後に明確なフィードバックを提供し、ユーザーが自分の行動を確認できるようにする。
- Undo機能: 操作ミスを簡単に取り消せる「元に戻す」機能を提供し、ユーザーのミスを修正できるようにする。
3. ラプス(Lapses)
- 定義: ユーザーが手順や情報を忘れてしまうことによって発生するエラー。主に記憶の欠如から生じる。
- HCDの対応:
- メモリの支援: 繰り返し使用する情報や手順を簡単に確認できるようにするためのツールやリマインダーを提供する。
- ビジュアルサポート: 操作手順や重要な情報を視覚的に提示し、ユーザーが容易に確認できるようにする。
- プロセスの簡略化: 複雑な手順をできるだけ簡略化し、記憶に頼らずに操作できるようにする。
HCDにおけるヒューマンエラーの全体的なアプローチ
- ユーザビリティテスト: ユーザビリティテストを行い、実際のユーザーによる操作ミスやエラーを分析し、デザインの改善に役立てる。
- ユーザーの意図と行動の一致: ユーザーの意図と実際の操作が一致するように、設計段階からユーザーの行動を考慮する。
- エラーへの対応: ユーザーがエラーに対処しやすいように、エラーメッセージやサポートを充実させる。
- 眼明順応と暗順応:ユーザーインターフェースや環境設計における視覚的な配慮に関連
眼明順応(Photopic Adaptation)
- 定義: 眼明順応とは、明るい環境から暗い環境に移行する際に、目が光に適応して視覚機能が改善されるプロセスを指す。通常、明るい場所から暗い場所に移ると、目の網膜が徐々に暗さに適応し、視界が明瞭になるまでに時間がかかる
- HCDの対応: HCDでは、ユーザーが異なる光条件で快適に利用できるように、UIやインターフェースの設計において、急激な光の変化を避けたり、明るさの調整機能を提供することが考慮される。例えば、画面の明るさやコントラストを調整する機能を提供することで、眼明順応に対応する
暗順応(Scotopic Adaptation)
- 定義: 暗順応とは、暗い環境において目が光に適応して視覚機能が改善されるプロセスを指す。暗い場所で目が光に適応する際には、より長い時間がかかり、視力が回復するまでには時間が必要。
- HCDの対応: HCDでは、暗い環境での視認性を確保するために、低光条件下でも視認性の高いデザインを取り入れることが考慮される。例えば、夜間モードやダークモードを提供し、目の負担を軽減することができる。また、画面のコントラストや配色を調整することで、暗順応に配慮したデザインが実現される。
HCDでの設計配慮
- コントラストと色温度: 明るい背景と暗い背景の切り替えがスムーズであることを考慮し、適切なコントラストや色温度を設定。
- 自動調整機能: 環境の明るさに応じて自動的に画面の明るさやコントラストを調整する機能を提供。
- ダークモード: 長時間の使用や暗い環境での視認性を高めるために、ダークモードやナイトモードを実装。
- 加齢による変化:デザインが高齢者のニーズや能力の変化に対応することを意味する
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視覚の変化: 視力の低下や色覚の変化があるため、文字サイズやコントラスト、視認性の高いデザインが必要
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聴覚の変化: 聴力の低下が進むことがあるため、音声通知に加えて視覚的なアラートやテキスト情報の提供が重要
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運動能力の変化: 手のひらや指の動きが制限されることがあるため、タッチインターフェースやボタンのサイズ、操作のしやすさを考慮する必要がある
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認知能力の変化: 記憶力や認知処理速度の低下がある場合、シンプルでわかりやすいインターフェース、明確なナビゲーション、直感的なデザインが求められる
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身体的な変化: 長時間の使用が疲れやすくなることがあるため、使いやすさや操作の負担を軽減するデザインが重要
HCDにおける対応
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ユーザーリサーチ: 高齢者を対象としたユーザーリサーチやテストを行い、具体的なニーズや問題点を把握する
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アクセシビリティの改善: 高齢者が容易に利用できるように、アクセシビリティを考慮した設計を行います。例えば、音声指示、拡大機能、視覚的なフィードバックなどを取り入れる
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シンプルなインターフェース: 操作が直感的で簡単に理解できるデザインを採用し、複雑な操作を避けるようにする
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カスタマイズ機能: ユーザーが自分のニーズに合わせて設定を変更できるカスタマイズ機能を提供する
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フィードバックとサポート: 明確なフィードバックやサポートを提供し、ユーザーが自信を持って操作できるようにする
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7-3 ユーザビリティ:定義、要素、指標
- SO9241-11(JISZ8521):
ユーザーインターフェースの設計に関するガイドラインを提供する規格で、主に「ユーザビリティ」に焦点を当てている。この規格は、ユーザーがシステムや製品を効果的に、効率的に、かつ満足して使用できるようにするための設計原則や要件を定めており、以下のようなポイントを含む:
- ユーザーのニーズと期待の理解: ユーザーが何を必要としているかを把握し、そのニーズに応える設計を行う。
- 使いやすさの向上: インターフェースが直感的で、使いやすく、エラーを最小限に抑える。
- ユーザビリティテストの実施: デザインが実際のユーザーによってテストされ、改善点が明確にされる。
- アクセシビリティの確保: 障害を持つユーザーや異なる背景を持つユーザーが平等にアクセスできるようにする。
- ユーザー:製品やサービスの設計対象となる実際の使用者(デザインプロセスではこのユーザーのニーズ、期待、行動、環境などを理解し、これに基づいて設計を進めることが重要。ユーザーの視点を中心に据えることで、使いやすく、満足度の高い体験を提供することがHCDの基本理念)
- 利用状況:
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製品設計: 家電、スマートフォン、車両など、ユーザーが日常的に使用する製品の設計において、使いやすさや直感的な操作性を重視してデザインされている
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ソフトウェア開発: アプリケーションやウェブサイトのユーザーインターフェース(UI)デザインにおいて、ユーザーのニーズや行動を分析し、使いやすいインターフェースを設計するために用いられる
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サービスデザイン: 医療、教育、公共サービスなどの分野で、サービスの提供プロセスやユーザー体験を改善するために、ユーザーの視点から設計されている
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環境デザイン: オフィスや公共スペースなどの物理的な環境を、ユーザーの快適さや効率を考慮して設計する際にもHCDの原則が適用されている
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ウェアラブル技術: フィットネストラッカーやスマートウォッチなどのウェアラブルデバイスの設計にも、ユーザーの使いやすさや快適さを重視するHCDが取り入れられている
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教育とトレーニング: 学習プログラムやトレーニングツールの設計において、学習者のニーズや理解度に合わせたコンテンツや方法を提供するために、HCDが活用されている
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- 効果(有効):
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ユーザー満足度の向上: ユーザーのニーズや期待に基づいて設計されるため、使いやすく、満足度の高い製品やサービスが提供される
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エラーの減少: ユーザーの行動や理解に基づいてデザインが行われるため、操作ミスやエラーが減少し、効率的に利用できる
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使いやすさの向上: ユーザーのフィードバックや実際の使用状況を反映することで、直感的でわかりやすいインターフェースが実現される
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アクセシビリティの改善: 様々なユーザーのニーズを考慮することで、障害のあるユーザーや特定の背景を持つユーザーも利用しやすいデザインが可能になる
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市場適応力の向上: ユーザーの期待やトレンドに敏感に対応することで、市場での競争力が向上し、より多くのユーザーに受け入れられる製品やサービスが提供される
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ユーザーエンゲージメントの向上: ユーザー中心のデザインは、ユーザーの参加意識やエンゲージメントを高め、長期的な利用者のロイヤルティを促進する
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コスト削減: ユーザビリティテストやフィードバックの活用によって、設計段階での問題を早期に発見し、修正することで、後の開発や修正にかかるコストを削減できる
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競争優位性の確保: 高品質なユーザー体験を提供することで、ブランドの評価やユーザーの推薦を得やすくなり、競争優位性を確保できる
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- 効率:
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早期の問題発見と修正: ユーザーリサーチやプロトタイピングを通じて、設計プロセスの早い段階で問題を発見し、修正することで、後の段階での大規模な修正を避けることができる
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ターゲットユーザーの明確化: ユーザーのニーズや行動を理解することで、デザインの焦点を絞り、不要な機能や複雑な設計を排除することができ、効率的なデザインが可能になる
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反復的な改善: ユーザーテストやフィードバックを繰り返すことで、デザインの質を段階的に向上させることができ、最終的な製品やサービスがより効果的で使いやすくなる
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ユーザーエンゲージメントの向上: ユーザーの意見やフィードバックを取り入れることで、ユーザーの満足度やロイヤルティが向上し、ユーザーのサポートやトレーニングの必要が減少する
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コストの削減: 初期段階での設計ミスやユーザビリティの問題を解決することで、後の修正や追加開発にかかるコストを削減できる
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適応性の向上: ユーザーのニーズや市場の変化に迅速に対応できる設計アプローチを採用することで、競争力を維持しやすくなる
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効率的なリソースの使用: ユーザーの実際の使用状況に基づく設計により、リソースを最も効果的に利用し、無駄な機能や複雑な要素を排除することができる
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- 満足:
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ユーザー体験の向上: HCDのプロセスを通じて、ユーザーのニーズや期待に応えるデザインが提供されるため、ユーザーの体験が向上し、高い満足度が得られる
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直感的な操作性: ユーザーが直感的に操作できるインターフェースや機能を提供することで、使いやすさが向上し、ユーザーの満足度が高まる
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問題解決: ユーザーの具体的な問題や課題を解決するために設計されるため、ユーザーが抱える問題が解消され、満足度が得られる
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エンゲージメントの向上: ユーザーが製品やサービスに対して積極的に関与することができ、長期的なロイヤルティやブランドへの信頼が高まる
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フィードバックの反映: ユーザーからのフィードバックを設計に反映することで、実際の使用状況や期待に応える改善が行われ、ユーザーの満足度が向上する
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アクセシビリティの確保: 多様なユーザーが利用できるように設計されるため、障害のあるユーザーや特定のニーズを持つユーザーも含めて、広範なユーザー層に満足度が提供される
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感情的な満足: ユーザーが製品やサービスを使うことで得られる感情的な満足や喜びが向上し、全体的な体験がより良いものになる
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- 目標:
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ユーザーのニーズと期待に応える: ユーザーが本当に必要とする機能やサービスを提供し、彼らの期待に応えることを目指す
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使いやすさの向上: インターフェースや製品が直感的で、ユーザーが簡単に操作できるように設計し、使いやすさを追求する
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アクセシビリティの確保: 障害を持つユーザーや特定のニーズを持つユーザーも含め、すべてのユーザーが平等に利用できるようにすることを目指す
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ユーザー体験の向上: ユーザーが製品やサービスを利用する際に、ポジティブな体験を得られるようにし、満足度を高めることを目指す
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効率性の向上: ユーザーの作業や操作が効率的に行えるように設計し、時間や労力を節約できるようにする
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エラーの最小化: ユーザーがエラーを起こしにくいように設計し、エラーが発生した場合でも適切に対処できるようにすることを目指す
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革新の促進: ユーザーからのフィードバックやニーズを元に、新しいアイデアや改善点を発見し、革新的なソリューションを提供することを目指す
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継続的な改善: ユーザーのフィードバックや利用データを基に、デザインを継続的に改善し、常に最適なユーザー体験を提供することを目指す
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- 製品品質と利用時品質:
製品品質
- 定義: 製品が提供する機能や性能のレベル、設計の堅牢性、信頼性、耐久性など、製品そのものの品質を指す
- HCDの視点: HCDでは、製品がユーザーのニーズに応えることを前提として設計されるため、製品品質の向上も目指す。具体的には、ユーザーが期待する機能を正確に提供し、製品が長期間にわたって信頼性を保つことが求められる。
利用時品質
- 定義: ユーザーが実際に製品やサービスを使用する際の体験や効率性、使いやすさ、満足度など、使用中の品質を指す。
- HCDの視点: HCDは利用時品質の向上に特に重きを置く。ユーザーの操作がスムーズで直感的であり、エラーが少なく、満足度が高い体験を提供することが目指す。利用時の問題点や改善点はユーザーのフィードバックやテスト結果に基づいて対応される。
関係性
- 相互作用: 製品品質と利用時品質は密接に関連する。高品質な製品は、利用時にもスムーズで快適な体験を提供する可能性が高くなるが、利用時品質の向上には製品設計の工夫やユーザーの視点を反映させることが重要。つまり、製品が高品質であっても、利用時の体験が悪ければユーザー満足度は低くなる可能性がある。
7-4 アクセシビリティ:考え方、ハード/ソフト面、規格
- ウェブアクセシビリティ:すべてのユーザーがウェブサイトやアプリケーションを平等に利用できるように設計することを指し、視覚、聴覚、運動能力、認知能力に関係なく、どんなユーザーでもアクセスしやすくするための取り組み(例:スクリーンリーダー対応、キーボード操作のサポート、適切なコントラスト、分かりやすいナビゲーションなど)
- ユニバーサルデザイン:べてのユーザーが年齢、能力、背景に関係なく、快適に利用できる製品やサービスを設計するアプローチを指し、多様なニーズに対応し、すべての人にとって使いやすいデザイン
- インクルーシブデザイン:すべてのユーザーが利用できるようにデザインプロセスを進めるアプローチ(ユーザーの多様な背景、能力、ニーズを考慮し、製品やサービスが広範囲の人々に対応できるようにすることを目的としている)障害のあるユーザーや異なる文化背景を持つユーザーなど、あらゆる人々の利用体験を向上させるための設計
- DE&I:Diversity, Equity, and Inclusion:デザインプロセスに多様性、公平性、包括性を組み込むことを目指した物(例:異なる背景や能力を持つユーザーを考慮して、すべての人にとって使いやすく、アクセスしやすい製品やサービスを設計し、ユーザーの多様なニーズに応えること)
- 支援技術:ユーザーが特定の障害やニーズを持つ場合に、その能力を最大限に引き出し、生活の質を向上させるために設計された技術やツール(例:スクリーンリーダー、音声認識ソフトウェア、補助入力デバイス、視覚補助ツールなどが含まれ、デザインプロセスにおいてこれらの技術を考慮することで、より包括的なユーザー体験を提供)
7-5 テクニカルライティング/UXライティング:正しく/わかりやすく伝える技術、優れたUX実現のためのライティング
- テクニカルライティング:技術的な内容や専門知識を分かりやすく正確に伝えるために、明確で簡潔な文章を書くことを指し、主にマニュアルやガイド、報告書、取扱説明書などで用いられること
- 使用説明:製品やサービスをユーザーがどのように使うかを詳細に記述するもので、ユーザーの行動、ニーズ、期待に基づいて、使いやすさや満足度を高めるための具体的な使用方法や手順を説明するもの
- メッセージ:ユーザーとのコミュニケーションを通じて、ユーザー体験を向上させるために設計された短いテキストや通知のことを指し、これには成功メッセージ、エラーメッセージ、確認メッセージ、アラートなどが含まれ、ユーザーがシステムの状態や次のステップを理解しやすくする役割
- ガイダンス:ユーザーが製品やサービスを効率的かつ効果的に利用できるようにするための指示や情報を提供することを指し、これにはオンボーディングプロセス、ツールチップ、ユーザーマニュアル、チュートリアルなどが含まれ、ユーザーの満足度と使いやすさを向上させるための重要な要素
- ヘルプ:ユーザーが製品やサービスを利用する際に直面する問題や疑問を解決するためのサポート情報やガイダンスを指し、これにはFAQ、チュートリアル、カスタマーサポート、インターフェース内のヘルプ機能などが含まれ、ユーザーの体験を向上させるために重要な要素
- UXライティング:ユーザーエクスペリエンス(UX)を向上させるために、アプリやウェブサイトなどのデジタル製品のインターフェースに表示されるテキストを作成することで、ユーザーが直感的に操作できるように導き、快適な使用体験を提供することを目的するもの
- マイクロコピー:ウェブサイトやアプリなどのユーザーインターフェース上で使用される短くて簡潔なテキストのことを指し、ボタンのラベル、エラーメッセージ、フォームの説明文などが含まれ、ユーザーの操作を助け、体験を向上させる役割
- 著作権:創作者が自分の創作物(音楽、文学、アート、ソフトウェアなど)に対して持つ法律上の権利であり、これにより創作物の使用や配布を制御し、創作者に経済的利益や認知を保証するもの
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8.背景
8-1 人間中心デザインの拡がり:社会的な背景、行政/自治体等における人間中心デザインの活用事例の紹介
- DX:
- Society5.0:
- ソーシャルイノベーション:
- サーキュラーエコノミー:
- イノベーション創出:
8-2 HCD専門家との連携:HCD-Net認定HCD専門家
- 専門家との連携:
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最後に
以上、HCD基礎検定のシラバス内容でした
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます
お楽しみいただけましたら幸いでございます
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▼▼ドメイン取るならやっぱり▼▼
▼▼ナウでヤングなドメインがいっぱい▼▼
▼▼はてなブログでもお馴染み▼▼
▼▼ブロガーの強い味方▼▼
▼▼ランキング参加しています▼▼
今週のお題「この夏のプラン」